劇場公開日 2025年8月22日

「「人」という字は」マルティネス ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 「人」という字は

2025年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

時には誰かにもたれかかってもイイじゃないか。それが知っている人でも知らない人でも、イヤ、なんならこの世を去っていたって。
若かりし頃の栄誉なのであろう水泳の色褪せたトロフィーくらいしか無い単色のマルティネスの部屋、それがいろどりを増し始め、隣人(故人)の【やりたいことリスト】をなぞりながら経験を重ねることで、波の無かった感情が脈打ち始める。
しかし長年培った、凝り固まった己の自我を変えることはたやすいことではない。変わりたいのに変われない、そんな葛藤を無口な彼の言葉に代わり、表情が物語っていた。
そして、オールバックの髪型を変え、退職してからの表情は一層穏やかになっていた。
メキシコの街並み、ラテンアメリカの陽気でユルい感じ、他人への距離感、言語、全てが穏やかで心に染み入った。
ただ一つ気になったのは、書庫に迷い込んだ鳥は無事に脱出できたのだろうか?で、あのシーンの心情も推し量れなかった。

ニコラス
トミーさんのコメント
2025年9月3日

共感ありがとうございます。
鳥居ましたねェ、今思い出しました。
自ら鍵を架けて閉じこもってるって事なんでしょうが、取っ外すシーンを入れないのはなんか潔いですね。もうあの部屋には戻らんのかもしれませんが。

トミー