「腐った人間どもに鉄槌を振り下ろす自然界の脅威!」子鹿のゾンビ jin-inuさんの映画レビュー(感想・評価)
腐った人間どもに鉄槌を振り下ろす自然界の脅威!
冒頭、影絵のアニメで物語のあらましが語られます。
子鹿のバンビが住む森にも、徐々に人間たちの開発の手が伸びてきています。母親はハンターに殺されてしまいます。大人になり、バンビもメスと出会い子どもを授かります。奥さんは開発業者の車に轢き殺されます。可愛い子供も行方不明に。大切な家族をことごとく人間に奪われてしまいます。さらに森に違法廃棄された有毒化学物質で森の水が汚染されてしまいます。その水を飲んだ動物たちは獰猛なモンスターに変身し人間どもへ襲いかかります。
昔の人はこんなモンスターを神として崇めたり怒りを鎮めるために生贄を捧げたりしましたが、現代の我々は武器を取って闘います。
ストーリーはよくありがちで目新しさも感じません。ほとんどが森の中や廃屋でのロケですのでそんなにお金もかかってません。
では面白くないかというと、そういうわけではありません。頭が悪く横柄で乱暴でムカつく人間どもが次々に惨殺されていくのを観ていると、自分のことは棚に上げて快哉を叫びたくなります。
しかも殺され方がエグい。ここが一番の見所でしょう。モンスターに殺される犠牲者たちは仕方ないとして、その合間合間に不運な事故死を遂げるおじさん二人が哀れを誘います。特に二人目、ロープが足に絡まって車に引きずられる死に方はあんまりです。アスファルトで削られて顔がなくなってました。
原題はBambi: The Reckoning。直訳すると「バンビの復讐」でしょうか。子鹿がゾンビになるわけではありません。
キーキャラクターに、不思議なおばあさんが出てきます。認知症で家族とのコミュニケーションはできないようですが、代わりに自然との交感能力があるようです。残されたバンビの子に代わり、復讐を遂げます。凶悪なモンスターが人間に倒されて悲しくなる映画も珍しいw。残された子鹿の鳴き声が切なく胸に迫ります。
最近日本でも熊害が問題となっており、駆除したら自治体に苦情電話が殺到したらしいです。「人間を守るためには熊の駆除は仕方ない」vs「人間の都合で熊を殺すのは許さない」。2つの派の対立が先鋭化してきています。この際、鹿を熊に変更して本作を日本人監督でリメイクしてくれないでしょうか。モンスター化した熊が両方の派閥の人々、どちらも惨殺してしまうストーリーで。
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