「ロックの衝動が溢れ返る」ザ・フー キッズ・アー・オールライト 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
ロックの衝動が溢れ返る
キース・ムーン存命中のザ・フーのドキュメンタリー作品。キースが亡くなった後からザ・フーを聴き始めた者としては、彼ら4人の絶頂期の姿、演奏をたっぷり堪能できて、貴重な体験になった。
ギターやドラムセットをぶっ壊すことは知っていたが、あれほど激しかったとは。ギター、ボーカル、ドラム、ベースの全て、まさしくロックの衝動が溢れ返っている感じ。マネージャーに言われて破壊行為をエスカレートさせたというのも笑えるが。
キースのハチャメチャぶりもすごい。自ら意識してトリックスターを演じていたのだろう。
ピートがビートルズとの比較を問われて、「質は求めない」というようなことを語っていたが、彼らの音楽は、シンセも交えて、どんどんタイトでソリッドなものに洗練されていく。
しかし、レコードを聴いていただけではわからない圧巻のパフォーマンス力。ウッドストック、ロックンロールサーカス、そして本作のためのスタジオライブ。思い返しても胸が震える。
「年取る前に死にたい」と歌っていたピートとロジャーが今も現役というのも感慨深い。
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