「ある程度の問題提起はあってよかったか」BAD GENIUS バッド・ジーニアス yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ある程度の問題提起はあってよかったか
今年159本目(合計1,700本目/今月(2025年7月度)8本目)。
大台の1700本になってしまいました…。このあと何本まで行くんでしょう…。
さて、こちらの作品です。
もとはタイが舞台とした原作があって、アメリカを舞台にリメイクされた作品ですが、大筋は変わっていないようです。結局のところ、「カンニングは良くない」という当然の理はある前提で、「なぜ特定の層が、試験などでカンニングに走るのか」という論点は映画内でも断片的には出ますが、もう少し問題提起が踏み込んであっても良かったかな、と思います(アメリカにおいては、特にアジア系(日本人も含む)は排斥の対象になりやすいです)。
こうした事情があまり描かれていない上に、日本でいう共通テスト(旧センター試験)にあたる、アメリカのSATに関する事項が色々問われるので、ある程度、当地の知識がないとわからなくなる部分があり、採点対象はそこに来るかなといったところです。
採点は以下まで考慮しています。
-----------------------------------
(減点0.3/アメリカの共通試験(SAT)についてもう少し説明があってよかったか)
このSATは大学入試共通テストのような位置づけで、映画内のように「読解」「文法」「数学(電卓使用なし)」「数学(電卓使用あり)」の4区分からなります。この「電卓」は関数電卓で、日本でいえば高専生や工業系の学生さんが持っているようなもので、細かい数値計算をさせるような問題が出題されます。逆に「電卓使用なし」のほうは映画内でも描かれるように集合や論理論証、初歩的な2次方程式などとなっています。
※ 日本からアメリカの大学を受ける場合、SATを受けることもありますが(医学部、法学部などは別扱いされている)、このSATは大学入試テストということを考えても「数学」の2ジャンルについては、日本基準では驚くほど難易度が低く(実際、公立高校入試試験問題レベルの出題範囲)、ここでほぼ満点を取って、やはり鬼門となる読解・文法で点数を取るのが(日本からの留学における)セオリーとされます。
※ ただし、それでも、英検準1くらいの英語力があることは前提。
-----------------------------------
(減点なし/参考/SATに出てくる「文法」は何が出題される?)
映画内でもちらっと出るこの「文法」のセクションですが、試験内容は、英検準2~2級レベルの簡単な英文が出てきて、全体(あるいは、一部)に下線がひかれており、「文法的に修正なし」か「修正候補」が3つ示され、その中から正しいものを選ぶものです。「三単現の-s抜け」の簡単なものから、「意味が二通りに取れるので好ましくない」「指す語がない(it が突然出てくるなど)」といった問題もあります。
日本ではこうした学習はほとんどしないので(TOEICでは出題されないし、英検準1以上のライティングでも、理解に妨げがない限り大きく減点されない。ペンフレンド(昔ながらの言い方?)でもこのことはあえて頼まないと指摘してもらえない)、ここが鬼門になります(「読解」のほうは、英検準1程度の長文を読んで、「この部分は何を指すか」「ここにあてはまる語句で最もよいのは何か」「著者が述べている主張は何か」という、日本でもおなじみの出題形式です)
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。