スプリングスティーン 孤独のハイウェイのレビュー・感想・評価
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ほんの少し違和感・・
日本でのタイトルは忘れましたが、Born To Run から聴いてきています。このアルバムの大ヒットからボスは大スターでした。次のアルバムも売れ、その次の「リバー」は最高傑作で後の「ネブラスカ」にも違和感なく繋がる作品であったように感じていました。ライブは毎晩4時間越えというパワフルさ、そんなアメリカを代表するようなボスが個人的な楽しみとはいえ、地元のバンドのギター弾きをやってたこと、そしてアコースティックアルバムを創ることの抵抗にあっていたこと、この2つに違和感を感じました。
まだ若かった私には歌詞の重さ、暗さに気づきませんでした。そして今はアメリカの大きさを思い知らされています。
愛おしい程のスプリングスティーンの苦悩
邦題に「ハイウェイ」がついているものの、「Born To Run」が「明日なき暴走」とタイトルされるくらいだから、なんとなくそのイメージだと思われる。が、映画の内容に疾走感は無い。寧ろ停滞感やトラウマ、鬱状態に陥ったスターの等身大の姿が描かれている。
話は1980年に発売され全米1位を獲得した2枚組アルバム『The River』のツアーの終わりから始まり、大成功を納めたツアー後、周囲からの次のアルバムへの期待が高まる中、自分に向き合い次作アルバム『NEBRASKA』を発売するまでの悩める姿を描いた映画になる。
これまでも実在するミュージション扱った映画を観てきたが、どれも伝記的な描かれ方で(来年はマイケル・ジャクソンの映画が公開されるが)ある時期に絞った描かれ方は異色と言える。
当時(1981-1982)はシンセサイザーを使った曲が急速に音楽シーンに広幅を利かせ始めた頃で、音楽業界が大きく変わっていく時期にあたる。MTVが開局したのもこの頃だ(1981)。
そんな中、自宅でアコースティックとハーモニカでの弾き語りを主体にしたデモテープをそのままアルバムにしたスタイルは当時の硬直した業界に一石を投じたとされた形だった。
アルバムを発売し、ツアーに出ることも無かった。
アルバムは、椅子の軋む音もそのまま収められているような剥き出しの音で、社会で騒がれた事件をモチーフにした歌もあり、全体的に内向的で暗い。
が、この時期、これがスプリングスティーン自身の内面的なバランスを保つ上で必要だった。
『The River』の後に『NEBRASKA』、その後も『Born in the U.S.A.』の大ヒットの後にやはり宅録を中心にした『TUNNEL OF LOVE』のように「動」の後に「静」のアルバムを繰り返している。
(『Born in the U.S.A.』の収録の幾つかの作品は『NEBRASKA』と同時期に作られていた事は未収録曲を集めた『TRACKS』で判明しているものの、この映画を観ればよくわかる)
その後は家庭を持ったことで安定したのかこの様な明暗くっきり分かれたアルバムリリースはないように思える。
それ以前も出世作『Born To Run』の後にマネージャー(マイク・アペル)と契約問題の裁判沙汰に巻き込まれ、勢いに乗りたい時期に2年間音楽活動停止を余儀なくされ、苦りきった時期がある。その後にやっと出せたアルバム『Darkness
on the edge of town』もロックだったけど暗かった。
こうした背景があり、その後にマネージャーとなったジョン・ランドーはスプリングスティーンが信頼する人物となり現在も彼を支えている。
今回の映画ではジョン・ランドーが良き理解者となり、『NEBRASKA』発売に大きく貢献していた事がよくわかる。
まだ『Born To Run』(1975)が発売される前、当時音楽評論家だったジョン・ランドーが1974年、スプリングスティーンのライブを観て、ボストンの地方新聞に「私はロックンロールの未来をみた。その名はブルース・スプリングスティーン」というコラムを残したのは有名な話になる。
そうした背景を知っている人は充分に楽しめる映画だと思う。
あと、彼のバックバンド(Eストリートバンド)のメンバーがそっくりでクスリと笑ってしまった。
試写会を観た人のコメントでは、「スプリングスティーンを知らない人にもオススメ」と目にしたが、↑で書いた事前知識を知っていると理解しやすいと思う。
知っているファンの人であれば、勿論楽しめるというか、当時の彼の苦悩を知り理解が深まる映画だと思う。
地元ニュージャージーのアズベリーパーク、フリーホールドの景色や地元のライブハウスで本人が今でも飛び入りで参加するという「ストーンポニー」が出てきて忠実に描かれた映画であることがわかった。
わざわざオススメはしませんが、興味のある方への予備知識として。
「なんだコアなファン向けのマニアックな映画か」と思った方は『カセットテープ・ダイアリーズ』をオススメします。80年代のイギリスを舞台に、パキスタンから移民してきた少年がスプリングスティーンの曲を聴いて影響を受けるという実話を基にした青春映画ですが、スプリングスティーンの曲がふんだんに使われ、ファンでなくても普通に楽しめる映画としてお勧めします。
1番勘違いされているミュージシャンかも
ブルースはルックスとあのボーカルスタイルからマッチョなロッカーと思われているのかもしれない。しかし歌の歌詞を読むと繊細でな内省的な性格な人物なんだとわかる。今回はその辺がちょっとだけ描かれていたと思った。映画で尺があるし、ネブラスカセッションで始まったことでもないので仕方ないと思った。ファンからしてみれば、当然ながらThe RiverもネブラスカもBorn in the U.S.A.も繋がっている。
私のブルース像を壊す事なく映像化してくれたスタッフ、役者に感謝です。あの監督はこういう暗いテーマにピッタリです。ジョン・ランダウも良かった。盛り上がりは無い話だけど監督の力量で上手くまとまったと感じた。
ブルースには長く元気で活躍して欲しい。
なぜブルースは日本であまり人気がないのか?
アメリカを代表する偉大なロックスター、ブルース・スプリングスティーン。アメリカではボスの名で知られ、アメリカ中で広く国民に愛され慕われているが、日本では誰それ?という人ばかり。少なくとも私の周りでブルースを知ってる人はいなかった。日本における最もアンダーレイテッドなスーパースターだ。
なぜか?わからない。本当にわからない。今夜アトランティック・シティで会おう、というしかない。しかし、彼を真似た日本の歌手はたくさんいる。日本人は元をたどるのが苦手だ。浜田省吾も長渕剛も自分のものだと思っている人が多い。そしてラーメンもチャーハンも箸も漢字も。彼らがブルースから影響を受けまくりなのがわからないのか?今夜アトランティック・シティで会おう。今夜アトランティック・シティで会おう。
ブルースは本当に暗くて鬱な曲『アトランティック・シティ』を含むアルバム『ネブラスカ』を作った。それがこの映画になった。それまでのブルースの曲は弾けた明るい曲が多かった。それが全く違うことをやることになった。なぜなのか?明るく弾けたロックのスーパースターが派手な生活もせず、バンド仲間のEストリートバンドとの交流も一切なく、『タクシードライバー』のトラビスのように革ジャンのポケットに手を入れてとぼとぼ歩き、『真夜中のカーボーイ』のダスティン・ホフマンみたいな見た目の気弱でみすぼらしい男として一人寂しくしている。何があったのか?
この映画ではそのことにはわかりやすく触れないのでよくわからない。
わかるのは父親が幼少期のブルースを男らしく育てようときつくあたっていたことだ。母親は優しかったが、父親は母親を傷つけ、ブルースも傷つけトラウマになっていたことがわかる。自分もあの父親のように癇癪もちで人を傷つけ、ろくでもない人間になり、人の温もりや愛とは無縁の寂しい人生を送るのではないかという恐怖を常にかかえていたようだ。それから逃れるように、反発するように、明るく弾けた愛くるしい曲『明日なき暴走』でスーパースターになったブルースが、自分の辛かった過去や悲しみに向き合ったとき、鬱になってしまった。ブルースは父親からただ普通に愛されたかった。それが叶わなかった虚しい幼少期。でも、あんな父親でもいいところもあり好きだった、自分の父親だから嫌いにはなれなかった。自分を育ててくれた。見捨てることはできない。人はいつか死ぬ。でもまたいつか生まれ変わって、いい父親と出会い愛されるはずだ。今夜アトランティック・シティで会おう。アトランティック・シティはブルース自身の過去を解放するための曲でもある。ブルースは幼少期のトラウマがきつくそれから必死に逃げるためにボーン・トウ・ランして人気はうなぎ上りだった。でもやはりいつまでも逃げられない。自分を偽ることはできなかったし、偽るのは疲れるし辛い。つらい過去のトラウマが押し寄せて鬱になってしまった。明るく激しいロックスターはもう続けられなかった。
この時の経験から、歌詞は鬱なのにメロディは明るく弾けたロックをやるという新境地を開いていく。『ボーン・イン・ザ・USA』だ。自分の鬱を歌詞に出すというやり方を見いだし自分を偽らなくてもよくなった。そういう道を切り開いた。自分と向き合い続けた。
日本人は自分と向き合うのが嫌いだ。辛かった過去、辛かった歴史もすぐ忘れる。忘れたがる。ルーツに向き合えないから浜田省吾も尾崎豊も長渕剛も自分のものだと思っている。ブルースの曲は人に内面的な辛さと向き合わせる強烈に暗い曲がたくさんある。だから苦手なのかもしれない。今夜アトランティック・シティで会おうとはしない。だから日本では人気がないのだ。
70点ぐらい。『NEBRASKA』
ロックを聴き始めた頃に大好きだったミュージシャンで、出会いは…
ブランキーの照井さんがブルース・スプリングスティーンやボブ・ディランを聴いて泣いたと言っていて、
それを知って、ジャケ買いで『BORN IN THE U.S.A.』を聴き、衝撃を受けたのと同時に僕も泣きまして、大好きになりました。
この映画は、歴史的大名盤『BORN IN THE U.S.A.』前夜に焦点を当てた話で『NEBRASKA』の頃の話です。
『NEBRASKA』は聴いてないし思い入れがないけど、大好きだったスプリングスティーンの若い頃のことが興味深かった。
家族のことや当時の彼女のこと、スプリングスティーンがスーサイドを聴いていたとか(笑)
でもファンじゃない人には、あまり面白くないかも…(笑)
ジェレミー・アレン・ホワイトが思った以上にスプリングスティーンの若い頃に似ていてビックリした(笑)
そして、スプリングスティーンのアルバム『BORN IN THE U.S.A.』を聴いたことがない方は聴いてほしい。
歌詞が素晴らしいので歌詞を読みながら聴いて感動してほしい。
映画の影響で久しぶりに聴いたけど、ホント素晴らしいアルバムだと思った。
『HUMAN TOUCH』や『LUCKY TOWN』もオススメです。
『NEBRASKA』は聴いてないけど聴いてみようかな…(笑)
ボスのライブ、また観に行きたいなぁ❣️
Bruce Springsteenファン必見🎶
Nebraskaの制作過程でボスにこんな葛藤があったなんて知らなかったなぁ😲
ジェレミー・アレン・ホワイトさんの歌も仲々良かった💕
次作は1〜2作目辺りのボスのエピソードやって欲しいです。
アルバム『ネブラスカ』のタイトルトラックはチャールズ・スタークウェ...
アルバム『ネブラスカ』のタイトルトラックはチャールズ・スタークウェザーと彼をモチーフにしたテレンス・マリックの映画『バッドランズ(地獄の逃避行)』にインスパイアされたもの、ていうのは映画ファン兼シリアルキラーマニアには常識ですが、ボスが曲作りしてる時『バッドランズ』がやたらテレビで放送されてるのは一昔前のテレビ東京で深夜『X線の眼を持つ男』とか『性本能と原爆戦』とかをやたらヘビーローテーションで放送してたのと同じようなことなのでしょうか。それでも体感で半年に1回ぐらいだと思ったけど当時のアメリカならケーブルとかで多チャンネルだったので別の局かもしれませんね。そこまで確認できませんでしたが。
名盤『ネブラスカ』が出来るまでというボスのキャリアでも限定された期間だけを描いてるので初心者には敷居が高いもしれませんね。アメリカでもちょっとコケ気味というのもそのせいかもしれません。
ジェレミー・アレン・ホワイトはボスに似てないという意見もあるでしょうが映画はそっくりさんショーではないのでそれでいいのです。
それにしてもパンフ売ってないのは20世紀FOXがディズニーに買われてからはよくあることですが残念ですね。
ボスの心の葛藤を知って良かったけど、、
『ネブラスカ』を知らない私は消化不良
当時ヒット曲を中心に洋楽を聴いていたのでシングル曲は知っているが、アルバム『ネブラスカ』は知らない。『ネブラスカ』を知らなくても本作を楽しめるのか?ただ早く行かないと直ぐ公開終了なるだろうから。
主演のジェレミー・アレン・ホワイトは素晴らしい。そこまでブルースを知らない私にはすごく似ていたと思った。しかもジェレミーが歌唱もしている。(CDも発売される)
しかし映画の内容は…。
アルバム『ネブラスカ』発売時周辺を知らない私には理解出来ない事が多かった。
どうして『ネブラスカ』を作りたいと思ったのか。その直前のライブからの苦悩もあまり描かれてないし、幼少期の父との関係もどう影響しているのかよくわからない。
せっかく『ネブラスカ』完成したのに、L.A.に引越した時どうしてそんな精神状態になったのか。
フェイとの関係か?
そのフェイも彼女と思っていたら娘がいる?夫婦だったの?でも調べたら違うし。 彼女か妻か、なぜそんな大事な事を語らない?
L.A. で苦悩していると思っていたらいきなり10ヶ月後にコンサート。
『ネブラスカ』のライブではないかもしれないが、直後の精神状況でコンサートツアーを組むのか?
その辺が丁寧に描かれていないので、なんかよく分からない映画だと感じた。
もっとアルバム『ネブラスカ』の制作ドキュメントに振り切った方が良かった。
イメージしていた内容とはやや異なった
色んな葛藤
BORN TO RUN 発売50年記念
最近多い音楽伝記物ですがほとんどは登り坂から始まり栄枯盛衰を伝えますが
本作は登り坂が無く陰鬱に下っていくダウナー系の作品です
私はこの頃に現れたAORやPUNK或いはNEW WAVEと言ったものが大嫌いで
聴きたくない一心で好きだったバンドも含めて新しいものを一切聞かなくなったので
半世紀も前の話なんてわからないわという方と同じく本作に関する事は一切知らずに観ました
ただブルース・スプリングスティーンのBorn to run以前
如何に偉大なソングライターであったかはとてもよく知っていますので
生き証人としてwそれが分かっていただける検索して是非聞いてほしい曲を紹介します
そうしないと「こいついったい誰やねんしょうも無い」になってしまいそうで・・・
まずは本人の
Bruce Springsteen – Born to Run
32ビートに乗せて昭和中期の日活映画のような歌詞を歌う世界中で大ブレークした楽曲
シャープでノリノリのサックスと1,2,3,4,とブートするエキサイティングさが売り
次にパティ・スミスとの共作
Patti Smith Group - Because the Night
日本でも大ヒットしたので知ってる人も多い楽曲
大部分を占めるリフがスプリングスティーンとパティ・スミス
両方の特徴が合致しておりまさに相性が良かったのだろう
そして本人を一番有名にしたマンフレッドマンズ・アース・バンド
Manfred Mann's Earth Band – Spirits in the Night
Manfred Mann's Earth Band – Blinded by the Light (全米№1ヒット)
彼の楽曲を大ベテランのマンフレッドマンがプログレッシヴロックにカバーした作品
当時はスプリングスティーンを知らなくてもこれは知っている人が殆どだった
Vanilla Fudge - You Keep Me Hangin' On
Grand Funk Railroad - The Locomotion (全米№1ヒット)
に匹敵する歴史的名カバー曲だと思います
1975年当時彼は「ロックの救世主」というコピーで売り込まれていたが
この年はまさにROCKの残照(或いは断末魔)ともいえる凄い年で
Pink Floyd - Wish You Were Here
Led Zeppelin - Physical Graffiti
Jethro Tull - Minstrel in the Gallery
Roxy Music - Siren
Queen – Bohemian Rhapsody
これさえ聞いておけばブリティッシュ・ロックはOKとも言える名盤が
一気にリリースされた年ですがこれを境に従来のロックは姿を変えたり衰退していきます
本当にロックは救世主を必要としていたのです
子供の頃に大ヒットしていたボーン・トゥ・ザUSAがこんないきさつで...
誠実なミュージシャンを描いたヒューマンドラマ
盛り上がる音楽映画を期待すると肩透かしになるので、要注意。ただし、数あるミュージシャン扱った映画で、ここまで音楽、ミュージシャンの人生に向き合ってる作品に記憶がない。ミニシアターでかかるような家族、恋人との葛藤を描くヒューマンドラマの主人公がたまたまブルース・スプリングスティーンだった、くらいの見方がよいのかもしれない。
ごちゃごちゃ言いましたが、最高の映画体験でした。
ブルース・スプリングスティーンと言っても、ウィーアーザワールドでイキってる人、くらいのイメージの方も多いかと思います。
この映画は、アルバム「ザ・リバー」成功後のブランクの内情を描いた作品です。「ハングリーハート」は佐野元春さんの「サムディ」に。映画でもドアタマでかかる「Born To Run」は、尾崎豊さんの「十七歳の地図」のパクリ元。日本でも多大な影響を与えたミュージシャンです。
普通のミュージシャンの映画でよくある、売れた後、孤独感にさいなまれて、お酒やドラッグに走らず、地元のレストランで働く子持ち女性とお付き合いするブルース。まじめか!
幼少期のフィードバックから、お父さんが大酒飲みで暴力を振るわれ、親子関係がうまくいってなかったことがわかる。このことは、後々、ブルースの人生の選択に暗い影を落とすことにつながる。
音楽映画のカタルシスは少なめですが、音楽ファンなら痺れる選曲、描写がたっぷり。カーステからドビーグレイのDrift Awayがさらっとかかったり、いいシーンでサムクックが歌うゴスペルをかけたり。ネブラスカの宅ロクで、多摩地区から世界に羽ばたくTEACのミキサー使ってる!とか。
劇中映画で、「バッドランズ」出てきますので、ご覧になった方はグッとくると思います。プレデターじゃなくてチャーリーシーンのおやじの方のやつね。
ブルースが曲作りにこの映画をモチーフにする。最初に三人称で書いてた歌詞を一人称に書き換える。役者の世界で役落としという言葉がある。これは演じた役に人格を支配されないために、終演後、人それぞれの方法でリフレッシュすることを言う。ブルースがこの切り替えがうまくできなかったことを匂わせる。
全曲、自分で歌うジェレミーアレンホワイトも素晴らしいのですが、ライブ中の音楽としてだけじゃなく、その音源がそのまま劇伴になってるのが凄い。もう一人のジェレミーことストロングの方は、トランプの映画でも悪徳弁護士のメンターを演じてて、こっちでは優しいマネージャーとして全然違うメンターなので面白い。
ちなみにマネージャーがブルースが落ち込んでるとき「頑張れ」って言う。これ、鬱病の人には使っちゃだめなキラーワードなので知らない方は覚えておいた方がいいです。映画的にわざとやろ?と思いました。
この映画は、精神疾患が遺伝するということも描いてます。これはもちろん、統計データの話であくまで、性格が似るってことなんですが、子どもの立場だと悩んで当然かと思います。かなり踏み込んだ描写というか大きなテーマとして扱われており、評価します。
アルバム「ネブラスカ」の出来るまで。
“ザ・ボス”ことブルース・スプリングスティーンは、80年代から活躍している労働者階級の現実と苦悩を歌い続けているアメリカのロックミュージシャン。
アメリカの田舎町の閉塞感、孤独と空虚に満たされている社会の底辺で生き、結果、破滅していくしかない人々のことを歌った曲が多い。
彼の代表曲である「Born in the U.S.A.」は愛国者ソングではなく、社会の底辺の若者が徴兵によってベトナム戦争に従軍、帰還兵としての辛い日々の叫びを歌ったもの。
日本でいうなら、尾崎豊か長渕かという感じだろうか…。
80年代に彼の曲をよく聴いていた世代には刺さるけれど、馴染のない人には、ピンと来なさそうな内容。
ライブシーンを楽しむというよりは、アルバム「ネブラスカ」や「ボーンインザUSA」のアルバム誕生秘話のような作品なので、その2枚のアルバムの楽曲の欠片が作品中にちりばめられているという感じ。
曲が分かる人にはピンときて、ニヤッと出来るけれど、彼や、彼の曲を知らない人にはその曲の意味や良さを体感できるようには感じられないのが残念だった。
長いレビューですみません。お時間がなければ一番下までスクロールしてください。
1971年生まれの私。中学に上がり、新しい友人の影響で洋楽を聴くようになった84年、大ヒットアルバム『Born in the U.S.A.』が発表され、更にその翌年にはUSA for AFRICAやSun Cityへの参加など、私にとってのブルース・スプリングスティーンは、その個性的な歌唱も伴って大変に印象に残るアーティストです。ところが、当時の私に“貸しレコード屋”及びそれをダビングするカセットテープに充てられる小遣いは限定的で、彼の音楽を聴きこむほどの余裕はありませんでした。むしろ、高校に上がるとバンドブームや“カラオケボックス”の普及で邦楽への揺り戻しが起こり、ブルース・スプリングスティーン“フォロワー”と言われる浜田省吾や尾崎豊の他、特に佐野元春には大変にハマったものです。ところが数年前、ラジオ番組で町山智浩さんが話すスプリングスティーンの歌詞解説で彼の音楽へ興味が再燃し、当時の楽曲を聴き直してみると「懐かしい」以上の感慨。そして最近また『Nebraska'82』についての西寺郷太さんの解説を聴けば、もう本作『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』を観ないわけにはいきません。(悪い癖で前置きが長すぎ)
『The River』を引っ提げたツアーが終わり空っぽのブルース(ジェレミー・アレン・ホワイト)。CBSはシングル『Hungry Heart』のヒットにイケイケ状態で新譜を急かしますが、ブルースの真の理解者でマネージャーのジョン・ランダウ(ジェレミー・ストロング)が防波堤となって守ります。ニュージャージーに戻ったブルースは地元ライブハウス・ザ・ストーン・ポニーでCats on a Smooth Surfaceに客演したり、そこで出会うフェイ(オデッサ・ヤング)とデートにまで至ったりとまだ見えない次に向かって“再充電”中。ところがある日の晩に何気なく観ていたテレビ番組に突然のインスパイアを得て、突如自宅の寝室にローファイの機材を運び入れ、サウンドエンジニア・マイク・バトラン(ポール・ウォルター・ハウザー)と共にその後“曰く付き”となるデモテープの制作に取り掛かります。
いやぁ、、、ブルース役のジェレミー・アレン・ホワイト、素晴らしいの一言。いわゆる“そっくり”とは異なりますが、特に歌唱はしっかりと特徴を捉え、太い低音からのしゃくりや不安になるギリギリの溜めなどは見事で、劇中にて沢山の楽曲が楽しめますが、特に、スタジオでの『Born in the U.S.A.』のレコーディングシーンは鳥肌物です。そして、何とも言えない彼の「笑った顔」にもメロメロ。体格や歌唱スタイルを見ただけではタフな印象なのに、実際の彼は非常にナイーブで繊細なタイプ。特に、ヒットが続いて周囲に「ビッグスター」と目されればされるほど、現実の自分との乖離を感じて思い悩むこの時期、ブルースの“不安定さ”を少ないセリフに対して微妙な表情の使い分けで表現するジェレミーに感情が揺さぶられます。そしてまた、そんなブルースを作り上げるのにこれ以上なく影響を及ぼした父・ダグを演じるスティーブン・グレアムが大変に恐ろしく、憎たらしく、それでもやはり息子に「父に認められたい」と思わせ続ける“絶対的な存在”として成り立っています。流石。。
存命中のアーティスト伝記映画として、その活動期間を総花的に語るダイジェスト形式ではなく、とあるターニングポイントを深く追求して語る手段は『名もなき者/A COMPLETE UNKNOW』にも通じ、前者よりもよりそのアーティストに対する興味や理解が深まります。
今回も『Nebraska'82: Expanded Edition』を聴きながらで、ツラツラと取り留めなく長いレビューになりすみませんでした。最後に大事なことを一言だけ、「いい映画でした」。
They declared me unfit to live
心の声に寄り添う作品でした
ブルース・スプリングスティーンと聞くと、どうしても「ロックの英雄」みたいな大きな存在を思い浮かべてしまいます。でもこの映画は、そのイメージをふっと静かにほどくような、不思議な余韻のある内容でした。華やかなライブの裏側にある“孤独”にこれほど丁寧に寄り添った作品って、意外と少ない気がします。
特に印象に残ったのは、彼がたった一人でギターと録音機に向き合うシーン。音楽映画なのに派手な盛り上げ方をしないところが逆にリアルで、「あ、創作ってこういう静かな時間が積み重なってできていくんだ…」ってしみじみ感じてしまいました。『ネブラスカ』の誕生秘話をここまで深く描いた作品って珍しいですよね。
それから、主演のジェレミー・アレン・ホワイトの表情が本当に良かったです。強さと弱さが同時ににじんでいて、見ているこっちまで胸がギュッとなりました。父親との関係や心の傷に触れるエピソードも多くて、ただの成功物語じゃない“人間の物語”としての厚みがあります。
観終わったあと、ロック映画を見たというよりも、ひとりの人間が自分の声を取り戻していく過程をそっと見守ったような気持ちになりました。激しくはないけど、じんわり心に沁みる…そんな大人の音楽映画でした。
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