劇場公開日 2025年11月14日

「スーパースターもつらいね」スプリングスティーン 孤独のハイウェイ 高坂圭さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 スーパースターもつらいね

2025年11月28日
PCから投稿

地味で内省的な映画だ。
しかしこれはぐっとくる
彼の生涯を描いたものではなく、
ボーインザUSAがヒットする前の
アルバム「ネブラスカ」を作るプロセスを
描いた一作。

リアルかどうかを徹底的に考え
歌詞を書いていくさま、創作の苦しみと孤独感を
見せる一方で、父親に虐待めいた扱いを受け
怯える少年時代の物語を展開させる。
弱さと強さ、傲慢と謙虚、真実と嘘、誰もが併せ持つ
矛と盾を、トラウマへの苦悩を、この偉大な表現者を
通して、映画は普遍的なテーマを静かにしかし
深く掘り下げていく。

ただのサクセスや自伝映画にとどまらない
とてもインディーズな香りのする小説のような
作品だ。
その世界観を、ブルースを通して描くこの監督は
ただものじゃない。
主演のジェレミー・アレン・ホワイトの成りきりぶりも
見事の一言。

一言も脚本に注文をつけず、映画化を許可した
ブルースもさすがだ。

高坂圭
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