「【今作は、BOSSの初の全米一位になった「ザ・リバー」ツアーの後の幼少期の父によるトラウマに悩む姿と、名盤「ネブラスカ」を発表する間を描く、それまでのBOSSのイメージを覆す作品である。】」スプリングスティーン 孤独のハイウェイ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、BOSSの初の全米一位になった「ザ・リバー」ツアーの後の幼少期の父によるトラウマに悩む姿と、名盤「ネブラスカ」を発表する間を描く、それまでのBOSSのイメージを覆す作品である。】
ー 最初に敢えて書くが、私とスプリングスティーンでは可なり年齢差があり、且つ洋楽好きだが、ブリティッシュロックを聴いて来たために、スプリングスティーンの曲は、大ヒット曲『ボーン・イン・ザ・U .S .A .』と対照的な『ネブラスカ』くらいしか知らない。
そして、『ボーン・イン・ザ・U .S .A .』の曲調から、”陽気なアメリカン”だと思っていたのだが、今作で描かれるスプリングスティーンは、悩める陰鬱な男である事が、赤裸々に描かれている。
驚いたシーンは、冒頭のある意味、酒浸りで強い男になる事を幼きスプリングスティーンに強いる父親の姿である。
そして、その後の彼が、父から受けた仕打ちによるトラウマに苦しむシーンには驚いた。”陽気なアメリカン”では、全くないからである。
■印象的なシーンとしては、テレンス・マリック監督の幻のデビュー作「Badlands」(先日、漸く日本公開された時は、嬉しかったなあ。)がスプリングスティーンの部屋のTVで流れる所である。
マーティン・シーンが、連続殺人犯キットを演じるシーンを観たスプリングスティーンが、そこから着想を得て『ネブラスカ』の陰鬱な歌詞を書くシーンである。
そして、『ボーン・イン・ザ・U .S .A .』のデモの曲調も、マア暗いし、歌詞もナカナカにヘビーなのである。そこが受けたんだけどね。
■ラスト、鬱の状態をカウンセリングで脱したスプリングスティーンが、老いた父に会うシーンは沁みた。
父は、彼を膝の上に座らせて、”俺は、若い時は酷い父親だった。”と詫びるのである。それを聞き、スプリングスティーンは”初めて、膝の上に座ったよ。”と穏やかな顔で言うのである。
<今作は、BOSSの初の全米一位になった「ザ・リバー」ツアーの後の幼少期の父によるトラウマに悩む姿と、名盤「ネブラスカ」を発表する間を描く、それまでのBOSSのイメージを覆す作品である。
BOSSは、鬱になっても、酒やドラッグをやっていない。
それが、彼が一発屋で終わらずに、今や米国を代表するロックスターになった理由でもあるのだろうなあ、と思った作品である。
BOSSを演じたジェレミー・アレン・ホワイトが、劇中、自ら歌を歌っているのも良かった作品である。>
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