「作り手は反省すべき。」M3GAN ミーガン 2.0 いま〜じゅ太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
作り手は反省すべき。
前作の続きとしては十分にあり得る先の展開を描けていると思うし、なかなかに面白いとさえ感じたことを、まずは白状しておこう。しかしながら…
前作の時点で、明らかに『ターミネーター』を意識して作っているな、とは思っていたのだけれど…今作を観て、より一層この監督は自分流の『ターミネーター』をやりたかったのかなと思うぐらいに、今度は『T2』を意識し、殺人マシンとしてのアメリアに、より人間寄りに変化していくミーガンを対峙させる。
それにしても、こんなにもSFアクションの方に寄せてしまうとは。どんなに面白く作れても…筋書きに続編としての整合性があったとしても…これは料理の仕方を明らかに間違った。ホラー要素が圧倒的に強かった前作の続きであるなら、ここまでホラー色を脱色してしまえば、「これは本当に『M3GAN ミーガン』の続編なのか?」という疑問が脳裏によぎるのを避けられない。
例えば、モンスターホラーの金字塔『エイリアン』のあと、ジェームズ・キャメロンは大幅にアクション要素を盛り込んで『エイリアン2』を大成功させたが、決してホラー色を脱色しはしなかった。
せっかく「AIの暴走」に警鐘を鳴らすSF的なテーマを掘り下げたのだから、もうちょっと前作のテイストを継承することを考えるべきだった。これだけのテイストの変化があれば、ついていけないオーディエンスがいても不思議はない。魅力は半減してしまったように思う。
前作は大変に優れた作品だったので、とても残念。作り手には大いに反省していただきたい。
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