「SFエンターテイメント映画の傑作」M3GAN ミーガン 2.0 HENTUさんの映画レビュー(感想・評価)
SFエンターテイメント映画の傑作
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まず全体として、非常にテンポがよく、わかりやすい。
アクションとセリフ回しの爽快さやストーリーの単純さの中に、人間社会の複雑さとAIの有能ながらも問題を孕んでいる様子が、時間いっぱいに詰め込まれている。
味方であるミーガンの非常識さと有能さは軽快なジョークと言い回しで小気味良く、敵であるアメリアの残酷さや不気味は、女優であるイヴァンナ・サフノの演技によって完璧に表現されている。
様々な小ネタやオマージュ、技術的な好奇心をくすぐる演出もさりげなく散りばめられており、飽きるところがない。
前作の少女ケイディはヴァイオレット・マッグロウが2年後にそのまま成長して登場。
叔母のアリソン・ウィリアムズ演じるジェマの堅物さは障害として多めに描かれているが、それはかえってミーガンの有能さと愛情の深さを引き立てる。
と同時に、人間ならではの不器用さからくる葛藤や苦悩も、AIに認められる形で見事に描き切られ、さらにそのやりとりさえも潰すことで、物語を進行させる上での自然な流れとして組み込まれている。
後半には全体の真相が明らかになり、これからの人類とAIひいては技術社会の、未来についても考えを巡らせることが出来る。
クライマックスも最も美しく爽快な形で締められており、文句の付け所がない。
今この時代に見るべき、素晴らしいSFエンターテイメント作品。
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