サタンがおまえを待っているのレビュー・感想・評価
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洗脳、自己顕示欲、承認欲求に恋心少々。
ドキュメンタリー映画が好きです。
日本映画なら
『どうすればよかったか』
『正義の行方』
『mommy』
全て星5の面白さ。
洋画ドキュメンタリーは久々。
何故にこんなにホラー感たっぷりのチラシやポスターなのか、恐らく人を呼ぶ為だがそのせいか
『ホラーかとおもったら違った』との感想が
チラホラ。
いざ、拝見。
ガッツリ人怖である意味ホラー、
別に悪魔崇拝者のことじゃないですよ。
普通のセラピストは『承認欲求と名声』という
自分の悪魔に魅入られ。
普通の女は『恋心と執着』という
自分の悪魔に魅入られ
普通の神父は『富』という
自分の悪魔に魅入られ
全米の心に悪意を宿した人たちを
大混乱に陥れたお話です。
それが子供の悪意も悪戯に誘発し
罪のない人が捕まる始末。
怖いのはこれが中世じゃなく1980〜1992あたり
の話ということ。
知名度に化かされて自分を失わないよう
思考を放棄してはだめだね。
今なら政治家だから、テレビだから
売れてるから、で盲信したらダメですよ。
いや上映終了ギリギリで見に行って
本当に良かった。
ドキュメンタリー映画、
本当にいいですよ。
社会派ドキュメンタリー
事前にサタニックパニックについて調べすぎずに、何か実話が元になってるらしい、ホラータッチの映画、という認識で見に行った。が、ホラーではない、社会派ドキュメンタリーだった、いや最初からそうは聞いていたけど、思っていたものと違って、良い裏切りだった。
中盤、ミシェルがどんなおかしな証言をしていたかを執拗に(必要な執拗さだったと思う、むしろ今となってはもっと知りたいくらいだけど)列挙するあたりで、社会派特有の、勉強してる時みたいな眠気が来た。けど、そのあとの(私にとっての)どんでん返しのおかげで目が覚めて、最後まで気持ちよく観れた。
もともとサタニックパニックがどのような社会現象だったのかを理解した上で前半を見ていたら、違った見方ができただろうけど、私は事前知識がなかったので、「えっ、これ、嘘だった(って製作陣は思ってる)ってこと?!」というどんでん返しが小気味よく感じた。最終的には件の2人というよりラリーさんを糾弾する内容だったように感じた。
私のような無知な人も楽しめる作りなのは間違い無いけど、製作側の意図、そして、事前知識があった人たちの受け止め方が気になるところ。アメリカでは「あの本って嘘だったってことだよね、今考えれば…」と、そこまでたどり着いている人とたどり着いていない(気にしていない)人はどのくらいの比率なのか気になった。
人間の寄る辺なさ
言ってしまえばボーダーライン的な女性に治療者が乗っかっちゃった、という話だけれど、悪魔が出てくるところが西洋的。トラウマティックな語りが記憶かファンタジーかというのはフロイト時代からの大テーマ。西洋には西洋の、近代化によって取り残されたものがあって、アフリカへの罪悪感とその裏返しの魅惑もあって、医師のあの態度になったのかなと。この辺はユング的。/映画の取材はいいんだけど、最後の演出が扇情的だったのでちょっとマイナス。
大天使ミカエルを名前の由来に持つミシェル
が、サタニックパニックの渦中の人である、というのは、なんとも皮肉だね
ということで、観る前はオカルト的なものを予想してたんだけど、途中から「恐ろしさ」のベクトルが違う方向を向いていくんだよね。これがまた、
面白い
どうやら、制作側は、ミシェル達を否定する側のようで。ミシェルのことを信じているのは友人のタイピストだけというね。これもまた、制作側のバイアスというかミスディレクションというかね。
子どもの頃や結婚当時の写真はすごく「いい顔」してるんだよ、ミシェル。でも、悪魔崇拝のカルトの話で出てくる時は、やはり、それなりの人相になっているのも、恐ろしいよね。
「ミシェル・リメンバーズ」出版が1980年ということで、世の中は、「エクソシスト」だの「オーメン」だのが人気で、オカルトブームの中。世間はこの告発をすっかり信じてしまい、そのせいで、、、
ブームが去って冷静になると「ん?おかしくないか?」となっていって、ってこと。そういうのって日本でもあったよね。超能力ブームとか心霊番組とかで。だってMr.マリックは「本物の」超能力者として登場してたんだからね。
まあ、オカルト的な話にカルトがくっついて、次第に詐欺っぽさが滲み出てくる展開は、ドキュメンタリーとしては面白いかな。そして、現在も存命なミシェルが出演拒否ということで、「ね?わかるでしょ?」って制作側のアプローチ。
でも、何が本当かはここではあまり関係ないかも。あ、作品としてね。当時このサタニックパニックにより、多くの人の人生が変わってしまったのは事実だから。
でも、言えることは、人間だって悪魔以上に恐ろしい存在なんだ、ってことかもね。グロなしだけど、昔の映像の荒さが不穏な感じをだして、よかった。
今後のことを考えるとパンフは購入すべきかな?と購入笑
新宿シネマカリテにて鑑賞。上映終了後拍手してる人が1人。人いっぱいだったけど、来年閉館とのことで残念。
2025年度劇場鑑賞37作品目(38回感謝)
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