「傑作!大人の優しい絵本みたい。」トリツカレ男 やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作!大人の優しい絵本みたい。
目に入り興味が湧いた対象に病的に「トリツカレ」てしまい、ひたすらその道を極めてしまう男・・・人呼んで「トリツカレ男」のジュゼッペ。彼が異国から来た風船売りのペチカに一目惚れし同様にトリツカレてしまう(笑)ピュアラブストーリーです。
トリツカレの対象が世の中の役に立ったり、役に立たないとかは彼にとっては関係なく、そのセレクトは微妙を通り越して意味不明、しかもその対象がコロコロ変わる・・・はたから見たら変人の社会不適合者でしかないジュゼッペです。
しかし、トリツカレの対象が恋心を寄せるペチカになり、勇気を持って行動に移した途端、今までの無駄と思われた知識やスキルがどんどん有益になり成果をあげる様を見て、何かとても応援したくなってきました。唯一の親友であるネズミのシエロも同じ心境だったに違いありません!
興味を持ったものについて突き詰めてやり切る、という自己実現の要素が、他者への思い遣り、愛情という枠組みの中で紆余曲折はありつつも最後はキチンと機能し、実現していく脚本は大変、秀逸だったと思います。
正直、絵柄は最初は変な感じ(笑)でしたが、それが動きだしたら、全く違和感を感じなくなり、最後はむしろこれじゃないとこの優しい世界には合わないまでになりました(笑)。子供に読み聞かせる絵本のディフォルメされた愛らしいキャラクターを彷彿させ、手描きっぽい背景の効果も相まって非常に暖かい印象を受けますね。「大人の優しい絵本」といっても過言ではないでしょう。
とても良い作品です。ぜひ映画館でご鑑賞ください!
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