「車が歌っても良かっただろ」トリツカレ男 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
車が歌っても良かっただろ
東京国際映画祭にて鑑賞。
これ一般発売前に抽選販売やったタイトルなのでそんなに人気あるのかと思いきや劇場はわりと空席があった。
原作小説は20年前、何度も舞台化されている。ということも後から知った。
一昔前の舞台っぽい雰囲気を感じたのは間違いではなかった。
これはこの絵柄にするならもっとトリッキーなアクションにしてもよかったと思う。
たぶん原作も舞台版も意識してあんまり極端なアレンジができなかったのだと思う。そういう生真面目さみたいのを感じた。
頑張って歌うモーションを描くぞ!という気合は感じるが、歌っている場面よりも車が走るシーンの車の動きのほうが活き活きしているように感じた。おそらく歌う動きより車が走るアクションを描くほうが慣れている。だから車が歌うぐらいのことをやっても良かったのではと思った。
ロープウエイもよく動いていたように感じる。事故の悲しさよりもロープウエイよく動くな!と思ってしまった。
「ジュゼッペ 、君は大馬鹿野郎だ!」みたいなことをネズミが頻繁に言うのだが、このネズミがすごく角ばっていて、お前なんでそんなに角ばってんのよと気になってしょうがない。あの針金みたいな尻尾で刺されるんじゃないかと思ったほど。すごい五角形、もしくは六角形な雰囲気で、そういうデザインなんだ!というこだわりは頭で理解できるものの、ストーリーが普通なのにデザインとがってるな!と感じてしまった。
人間の登場人物も妙にこう、目がとがっている、体のラインがくせある感じで、なんでこの絵柄にトリツカレたのだろうと思った。
おそらく「動かしやすい」「表情をつけやすい」みたいな狙いがあったのではないかと思う。
あのネズミもすげえこっそりヒロインの偵察してて、20年くらい前だと、まあこんな話もあるよなと思えただろうが。今の感覚だと、ジュゼッペは小動物を利用する姑息なストーキング野郎な印象もあった。難しいよなあ。
冬にわざわざ変装して窓にはしごかけて語る、という後半の見せ場も、いやおかしいだろと!思ったが!ヒロインのペチカはホッケー先生のタタンにとりかれていて、とりつかれるぐらいだから変装も見破れなくて。というタイトルにかけているのがポイントなんだろう。しかもこの時のジュゼッペはタタンの霊に実際にとりつかれていたのです、というオチまで用意している。
ここらの展開に感動できる人もいると思う。
鬼滅の刃もチェンソーマンも人気ですけどバイオレンスで血が出過ぎて子供に見せたくないんですよ~なにか他にいいのありますか?みたいな要望にこたえられる映画だと思う。
これくらい「エログロバイオレンスには頼りませんよ!」というプライドを持っている作品も昨今では珍しくなってきたような気もするので、これはこれで貴重。作品全体に誠実さのようなものが漂ってはいる。
ただ、やっぱりこの絵柄にするならもっとトリッキーでアクション満載で面白さや奇抜さを重視しても良かったと思う。風船をとるアクションももっとアグレッシブにできた絵柄に感じる。
でないならもっと可愛い絵柄にして完全なるファミリー向けにふるとか、新海誠的な青春映画風に見せる方法もとれたと思う。予算とか動かしやすさとか色々あるんだろうな。
ミュージカルに挑戦した心意気は良かったと思う。音楽ライブアニメはどんどん出てくるが、国産ミュージカルアニメはまだ少ない印象だから。
俺のクソみたいな感想は無視してこういう映画が好きな人は劇場に足を運んでこういう映画を盛り上げて欲しい。
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