「「〝風が吹いたら桶屋が儲かる〟死のピタゴラスイッチが始動!」」ファイナル・デッドブラッド leoさんの映画レビュー(感想・評価)
「〝風が吹いたら桶屋が儲かる〟死のピタゴラスイッチが始動!」
本作の大阪で唯一の上映館「テアトル梅田」にて鑑賞。ミニシアター系で1日2回の上映に限定される。初回14時の回はチケット購入時点で7割が埋まっており、上映10分前には満席となった。平日昼間の上映にもかかわらず高い注目度を示している。
本作の舞台となるのは、架空のタワー「スカイ・ビュー・タワー」。シアトルに実存する「スペースニードル」をモデルにした設定である。
映画オープニングでは、因果律に基づく一連の事故が発生。タワーの倒壊を中心に、阿鼻叫喚の惨劇が展開される。この事故を未然予防したために138人が生き残り、死の因果連鎖が始まった。すなわち「ファイナルD」シリーズのスタートだ!
この1969年の事故が「ファイナルD」シリーズの起源であり、以降の飛行機事故、高速道路事故、ジェットコースター事故、カーレース事故、つり橋事故などのエピソードは、本作の死神の計画の一環として位置付けられる。
また、シリーズ全体に共通する法則として、
・生き残った順に死が訪れる
・他人を救うと順番が変わる
・新しい命(赤ん坊)でデザインがリセットされる
・出来事は時間的に循環している(パート5はパート1の前日譚)
が挙げられる。本作では血縁関係(死の世襲)が影響し、直系の人物が年齢順に死亡する。
お家芸の殺害シーンも多彩であり、
・パッカー車で圧し潰される
・芝刈り機による顔面崩壊
・MRIの強力な磁場による致命傷
など、R18ならではの表現が随所に見られる。
シリーズの魅力を維持しつつ、全シリーズの物語をつなぐ構成は高く評価できる。
家族の絆や血統を利用した死の連鎖は、ホラー作品としても見応え十分。
ただし、日本での上映は現状10館前後、1日2回程度に限られるため、鑑賞機会は限定的である。迫力ある映像や音響は映画館での体験が推奨される。
※あとがき
ウィリアム・ブラッドワース役のトニー・トッドは、シリーズ通算でほぼ毎回出演。代表作の「キャンディマン」は当たり役である。2024年11月に亡くなったことがテロップで追悼されており、享年69歳であった。ご冥福をお祈りします。
以上
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