「姉妹両方とも可愛い」君の声を聴かせて りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
姉妹両方とも可愛い
2009年の台湾映画・聴説を韓国でリメイクした作品。
26歳の青年・ヨンジュンは大学を卒業したがやりたいことが見つからず、就活に本腰が入っていなかった。ある日、彼は両親の弁当屋を手伝うことになり弁当の配達に行ったプールで、手話で会話する女性ヨルムに出会い一目ぼれした。大学時代に習った手話を使って彼女に近づこうとしたヨンジュンだったが、ヨルムは聴覚障害者の水泳グループでオリンピックを目指す妹ガウルの夢をかなえるため、バイトと国際手話教室に通う多忙な日々を送っていた。ある日、ヨルムのバイクが故障し、たまたまその場に遭遇したヨンジュンは、自分のバイクを彼女に貸してあげ、修理してあげると連絡先を入手し、自分は彼女のバイクを友人のバイク屋に持ち込み修理してもらった。そして、そのバイクを掃除して、彼女に返し・・・2人の関係はどうなる、という話。
最初にプールで出会った時、ヨルムより妹のガウルの方が美人に見えたが、韓国ではヨルムの方が綺麗とみられるのだろうか。
26歳同士という設定だったから、ん?、って思ったけど、韓国って法律上は満年齢に変わったらしいが、最近までずっと数え年だったし、男は徴兵義務も有るから、2歳半から4歳くらい大学の卒業年齢が日本と違うので、26歳は妥当な所だなぁ、と思った。
何で姉ちゃんだけがバイクに乗ってるのだろう、妹もバイクの免許くらい取れば姉の送迎は不要なのに、(最近は台湾も韓国も日本も聴覚障害が有ってもバイクの免許は取れるので)そこは最後まで謎だったが。
そして、ずっと姉妹ともろう者だと思って観てたのだが、姉妹のお母さんが、優しさと同情は違う、と言うのを聞いて、またまた、ん?、て思ったら・・・なるほど。
ヨンジュンの父が言った、耳が聞こえても話が通じないやつは多い、はまさにその通り。良い事言うなぁ、と感心してたら、母の返しも素晴らしかった。
そして、バイク屋の友人も良い奴だった。今から必死で手話の勉強しそう。
プールで聴覚障害が伝染する、と訳のわからない事を言ってハンディキャップの駐車スペースに車を駐めてたクレーマーおばさんを除けば、登場人物がみんな相手のことを思いやる心の優しい良い人たちばかりだった。ハートフルで心が暖かくなった。
ヨンジュン役のホン・ギョンが性格の良い青年を好演してた。
そして、ヨルム役のノ・ユンソは笑顔が素敵で可愛かった。若い時の早見優に雰囲気が似てた。
ヨルムの妹ガウル役のキム・ミンジュはスタイル良くて美人だった。
もう一度観たいと思える素晴らしい作品だった。
追記2025/10/1
2度目の鑑賞。ヨルムが健常者という前提で気になるところは無いかもう一度確認しながら再鑑賞した。
1.バイクを直してもらった後、2人でスタバっぽい容器でコーヒー飲料を飲んでるが、買う時声を出したのでは?
→ヨルムがヨンジュンを待たせておいて1人で買いに行ったと考えればおかしくは無い。
2.服を着たまま2人がプールに入ってるシーンで、ヨルムが、聞こえないよ、と手話でヨンジュンに伝えるシーンがある。
→自分の事じゃなく、家族(両親、妹)が耳が聞こえないけどいい?っていう意味ならおかしくはない。
3.そうだとして、これはヨンジュンの声を聴いた後だから、なぜ手話でそう伝えたのか、との疑問が出る。
→ろう者でも声を出せる人は居るから、あの時点ではまだヨンジュンは耳が聞こえないと思っていた、と考えればなんとか辻褄は合う。
という事で、決定的におかしいところは無かった、という結論にしておきます。
2度目も良かった。ヨルムが最初の時よりもっと素敵に感じた。
共感ありがとうございます。
バイク、耳栓、いつ事故に遭うかヒヤヒヤしてましたが、変な惨事で引っ張らず正直ほっとしました。何故手話が出来るのか?も過去の恋愛?毒されて深読みしていた様な自分が恥ずかしいです。
細部にまで丁寧に目を向けていて、映画の魅力と同時に文化的な背景や人物の言葉の重みまでしっかりと捉えていらっしゃるのが素敵です。
特に「耳が聞こえても話が通じないやつは多い」という父の言葉や、それに対する母の返しへの共感、そして「優しさと同情は違う」というテーマをきちんと拾い上げている点は、本作が単なるラブストーリーにとどまらず、人間理解や社会的なメッセージを含んでいることを改めて気づかせてくれました。
また、ヨンジュンやヨルム、ガウルといった登場人物それぞれへの感想も温かく、読んでいてこちらまで心がほっこりしました。レビューそのものが映画の“ハートフルさ”を映し出しているようで、とても素敵でした。
改めて「もう一度観たい」と思えるお気持ちに、強く共感します!
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