劇場公開日 2025年10月24日

「自己肯定感が低い若者たち」ミーツ・ザ・ワールド 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 自己肯定感が低い若者たち

2025年11月4日
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鑑賞方法:映画館

二次元キャラにのめり込む腐女子が、歌舞伎町で出会ったキャバ嬢との共同生活を通じて、新しい世界に触れていく。
生きづらさを描くのに、昨今はLGBTQを題材にするのが流行りだが、本作は外からのプレッシャーより、人の内面を探求しようとするところに好感を持った。
登場するのは自己肯定感が低い若者たち。年を重ねてくると「生きているだけで有り難い」と思えるようになるが、若い頃は「自分はもっとできるはず」と思いつつ眼前の些事に振り回されていたことを思い出す。
主人公がなぜ腐女子(という言い方を含めて)であることにそこまで後ろめたさを感じているのか。キャバ嬢はなぜ自死願望を持っているのか。話の結末は曖昧なままだが、人はそれぞれ違っていて、理解し合えないものだということは理解し合おう、というように受け止めた。
杉咲花はほぼ出ずっぱりで、推し活での早口を含めて、さすがの演技力。南琴奈にはこれから注目したい。出番は短いが、くるまと安藤裕子も印象に残った。
松居大悟監督の演出は堅実だが、ところどころ思わせぶりなカットはよく理解できなかった。セリフが聞き取りづらかったのも残念。二次元キャラを実写中に出したのはグッドアイデア。

山の手ロック
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