劇場公開日 2025年10月24日

「どんなかたちでも生きていける」ミーツ・ザ・ワールド 朝顔さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 どんなかたちでも生きていける

2025年11月2日
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鑑賞方法:映画館

斬新

2回目の鑑賞。
金原ひとみさんの原作がよかったので、映画はどう切り取るんだろうと思っていたけれど、松居監督の切り取り方は原作の物語が目の前にあると錯覚するぐらいによかった。杉咲花の演技は演技だと思えないし、惹き込まれた。すべての人物も役のイメージを膨らませる。
今の世の中、SNSで「良い」とされるものが均一で、その基準からずれると自分にも他人にも嫌悪感や上下の意識をもってる。原作の懐の大きさに監督の人間愛が重なって、ここでしか作れない世界を見せてくれる。
ところどころ、悪ノリみたいな楽しさがあって、監督の劇団ゴジゲンのいつまでもここは青春なんだ(と勝手に思っています)と思える表現が重なった。大人の価値観に抵抗して、自分が大切にしているものをちゃんと表現し続ける。そのための仲間。そんな空気をこの映画でも感じた。アニメの入り具合もうまくて。
映画の最後に流れるクリープハイプの曲が改めてそこまで見てきたものをなぞっているみたいで、涙が溢れた。この映画の主題歌にクリープハイプはぴったり。「君は君でいいんだ」って思えるライブ。この映画は「自分が信じていればそれでいいんだよ」ってスクリーンから背中を押される映画。コンプレックスや自分と「世間」のずれに苦しんでいる人は、きっと自分を少し認められる気がする。2025年の世界に必要な柔らかい哲学的な映画。
一回目は終わってもなぜかずっと涙が止まらなかった。二回目も優しさに心打たれて涙が止まらなかった。

朝顔
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