劇場公開日 2025年10月24日

「相互理解には程遠い死生観のズレ」ミーツ・ザ・ワールド ふたり映画さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 相互理解には程遠い死生観のズレ

2025年10月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

 善良でいて優しさからくる言葉が相手を傷つけてしまうことがある。当たり前だけど、それを映像にして見せられると心が痛いのなんの。死生観の価値観ならなおさら顕著にでる。
 原作未読の姉と観に行きましたがちゃんと伝わってた。それが嬉しい。
 由嘉里の暴走、アサヒとのやりとり、ライの意思、ユキの過去とやさしさ、オシンのあたたかさ、母親との会話、それによってブーメランを起こす言葉の矛、無機質な鵠沼の声、由嘉里の後悔など言葉以外で色々なことが目で観て、耳で聴いて伝わってくるって凄いことだなと思った。原作読了してたので映画ではやらなかったカットされてしまったところの補足を帰りの車でずっと語ってた。語り合うというよりひたすら語ってしまった。由嘉里のようにマシンガントークをかましてしまった。
 原作の世界や登場人物を壊すことなく、ここまで鮮やかに、また豊かに、そして繊細に描いてくれていたことに喜びが先に来る。みんなハマり役だったなぁ。分かり合えない者同士が出会ってしまった悲劇でもあり、その苦しさ、相互理解には程遠い死生観の押し付け、人と人の縁、そして別離。良し悪しについて観る人を選ぶと言ってる人がいるけれど、原作を読んだりこの映画作品を観た人にしか言えないことがたくさんあると思う。肯定的な意見も否定的な意見も話すきっかけにもなる。語れば語るほど安くなってしまうので、ここまで。
 あと…あれれ?金原ひとみ先生、映画のワンシーンで食事していませんでした?一瞬だったけどテレビや雑誌でお顔は拝見していたので、先生だ!と思わず心の中で叫んでしまった。その時の由嘉里とライの会話が一時期入ってこなかった。あとラーメンが凄く食べたくなった!

コメントする
ふたり映画
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。