劇場公開日 2025年10月24日

「どこにでもいる「わたし」と出会う」ミーツ・ザ・ワールド ちれさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 どこにでもいる「わたし」と出会う

2025年10月24日
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鑑賞方法:映画館

27歳アニオタ、一昨年父親を亡くして婚活中

主人公のユカリはまさに数年前のわたしと同じでした。
漠然としたこのままではいけない、という思いの中にはきっと親を安心させたいとか、幸せな姿を見せたいとか、そんな思いもあったのではないかと想像してしまいます。
特に興味も無く顔も覚えてない相手とのやり取りにドギマギしたり、つまらない食事の後の友達との時間の楽しさに婚活の時間の無駄さを感じたり、
出会ってないだけとか周りは言うけど、体質に合わないだけだと思う。

そして、漠然と死にたい、自分はすぐに死ぬと思っているライも、わたしでした。
そう思うように至る経緯はきっと人それぞれあるのだろうけれど、生きる希望が無いとか、楽しくないとか、辛いことがあるとか、そんな事じゃなくて、ただ人生という生活を長く送る気が無いだけで、ユキさんが言ってた雨水が飛び跳ねた時とかそんな時に死にたいとか思うわけじゃなくて、何となく、車に轢かれるかもとか、知らない人に刺されるかもとか、何故か考えてしまう、何故かいつも死を意識してしまう、そんな私をライを見ながら思いました。

同じようにユカリはライの中にライはユカリの中に、自分を見ていたのかな、そしてお互いの幸せを願いあっていたんじゃないかな、そんな風に思い合える相手が居れば、恋人も、結婚も、そんなに重要なことじゃないでしょ?

心が悲しい時は温かいものを食べなさいって差し出して慰めてくれる人が旦那や恋人や親である必要はないでしょ?

そんな答えを出してくれる映画だと感じて、
もうとっくに結婚願望など無くして1人を楽しんで1人で居ることが好きだと気付いて暮らしている私を少し認めてもらえたようで嬉しくなる。
わたしの人生を認めてもらえた気持ちになれる映画でした。

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ちれ