劇場公開日 2025年10月17日

「結婚式場に居た人…」死霊館 最後の儀式 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 結婚式場に居た人…

2025年10月25日
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ウォーレン夫妻の物語もこれで最後かと思うと寂しいものだが、過去作のアナベルや、印象的だった"逆さ十字"の登場など、ファン向けだがニヤリとさせられる演出が多く、良いフィナーレを飾ったのでは無いかと思う。
いつかは誰しもが“引退"を迎えるものだが、2013年の第1作目から10年以上を経て、ウォーレン夫妻が年老いていき、第二の人生を歩み出そうとする姿にはほっこりさせられる。ハロウィンシーズンで本作も日本市場でのヒットが報道されているが、過去作を知らない人(アナベルと本シリーズが関連作だという事も知らない人)からするとまずウォーレン夫妻に対する愛着や、娘のジュディに過去何があって、なぜあそこまで夫妻が大切に育てているのかなどは分からないため、感情移入の度合いに差が出てしまいそうだが、物語としてはジェームズ・ワンの過剰な恐怖演出も相まって誰でも楽しめるエンタメホラーだろう。

実話ベースなのは相変わらずだが、リアリティを追求すると、ジェームズ・ワンの得意技が発揮出来なくなり、地味な絵面になりがちだが、畳み掛ける様な展開で少々強引だがしっかりと怖くしてくれている。前作、「死霊館 悪魔のせいなら、無罪」は、それでもサスペンス要素が多く、「面白いがあまり怖く無い」という印象だった為、本作では原点に立ち返る様に暴れ放題暴れてくれる。「シャイニング」顔負けの血の波が襲いくる演出もあり、ビジュアル面でも130分以上というホラーとしては異例の長さでも退屈させない工夫が施されており、非常に好印象である。

上映時間2時間というのはホラー界では長過ぎるという認識がある様で、映画スタジオでも予算は1000万ドル、本編80〜90分程度のホラー映画を作るという簡単なプロットから始まったりする位だ。勿論長ければ良いという訳では無いが、本シリーズを観てから他のホラー作品を観ると、何か描写の数々が物足りなく感じてしまうものだ。
それくらいに人物描写も丁寧であり、"上質できちんと怖いホラーが観たい時はコレ"というイメージになっている。

今後は娘のジュディにスポットを当てた作品を撮っても良い気がするが、ウォーレン夫妻亡き今、その権利やその他諸々の事情はどうなっているのかは不明である。
いずれにせよ、ヒットは間違いないはずだ。これまでたくさんビビらせてくれた製作陣とキャストにはお礼がしたい。

Mina
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