君の顔では泣けないのレビュー・感想・評価
全188件中、1~20件目を表示
15年間違う人物となって生きた先に見えたものとは
入れ替わりものはエンタメではよくある話ではあるけれど、15年も戻らずお互いの外見で生活をし続けるという内容が新鮮だったので鑑賞。
個人的に入れ替わりモノで楽しみにしているのが、役者陣が入れ替わる前と後でどう演技の差をだして、別人になり切れるか、だと思っている。
けれど今作は、最初から入れ替わった状態からのスタートだったので、そこが見れなかったのが残念だった。(おそらく原作がそうなのだろう)
入れ替わる前がわからないので、元から男まさりな女性と物腰柔らかな男性に見えてしまい、最近はそういう男女も珍しくないのも相まって、なかなか入れ替わった感が感じられず。寄り添って見ることができなかった。
過去のシーンと現在のシーンが短いスパンで切り替わるのも、個人的には忙しくて少しごちゃっと見えてしまい、ここは好みが分かれそう。
自分のアイデンティティは外見や性別あってのものなのか、それを奪われた時“自分”はどうなるのか。想像するだけで絶望するし、日常なんて普通に送れるものなのか?
性同一性障害と近い感覚になるのかな?とも思ったけれど、この場合は生まれた時からの違和感というわけではないから違うのか?と、なかなか解釈が難しかった。
坂下の弟役で「愚か者の身分」の林裕太くんが出ていた。それほど長くはないシーンだけれど、印象的なシーンになっていて、ますます今後が楽しみな俳優さんだ。
最後は観た人に委ねる感じで終わったのは良かった。
コスりたおされたネタだからこそ生まれた新鮮な人生ドラマ
『決戦は日曜日』『金髪』で、日本のことなかれ主義を上手に揶揄する風刺を楽しんだが、坂下監督がまったく違うベクトルの作品でも手腕を発揮するを知った良作。もはや定番となっている「男女の入れ替わり」ネタを踏襲しつつ、「15年間元に戻れないまま人生が進んでいったらどうする?」というシミュレーションを大真面目にやった原作小説を、実に丁寧に、切実に描いている。冒頭ですでに入れ替わっているので、芳根京子はずっと男(だった)役を、髙橋海人はずっと女(だった)役を演じていて、フィクションでなければありえない設定ながら、ちゃんと2人の真摯な人生の物語になっていて飛び道具感ゼロ。これもこコスりたおされてきたネタだからこそ、こんな映画が生まれる土壌ができていたということなのでしょう。そして地に足がついた映画に仕上げた坂下監督の演出力と、主演2人の演技におみそれしました!
じっくり考えながら見ることができる映画
発想の勝利
ありそうでなさそうだった発想の勝利。
入れ替わりは一瞬ならドタバタで済む。
でも十五年、しかも就職、結婚、出産といった重要事項を含む十五年を、互いから奪い取ることになった2人は運命共同体であり、離れられない協力者であり、しかし複雑な感情を抱く対象である。
もし戻れた時を考えて少しでも相手の人生を傷つけないように、と思うが、楽しんで生きることを諦めることにも心がついていかず、「それは本当は自分のものになるはずだったのに!」という叫びが互いにつきまとう所は、入れ替わりというよりもボディスナッチ、乗っ取りに近い。
それも、やりたいわけでもないのに、互いが互いの乗っ取り犯となるのだから、そこがドラマのぐっと来るところ。
2人の俳優の「腕の見せどころ」がとことん楽しめる作品。この2人の大切な決定(15年もたったあとに、「再びもとに戻るべきか否か?」)を見守るのだから、2人の表現力がこの作品の肝になる。その意味では申し分のない力を発揮してくれる。
性同一性障害をはじめ、体への違和感を持つ人の苦しみや、「自分の人生を生きることができない」経験をしている全ての人たちの問題にも言及していて、その点で社会的な視点を持つ映画でもある。
ラストは「これしかないよな」という、特に裏切りも意外性もないラスト。でもテーマはすでに落ちているから、落ちはそれしかなくていいのだ。
波乱がない
この作品だと入れ替わりの時に発生する重要問題は、本人達の気持ち・心持ち、異性との交流の仕方、あとは家庭環境くらいです。
なので男の生きづらさも女の生きづらさもあるだろうに、それがそれが全て排除されていたので、この作品の根底にある「男女が入れ替わった場合の現実的な悲劇」が描ききれていないように思いました。
ただ、それがなかった故にあまり苦しさがなく見れました。
ヘビーさを追求し過ぎると陰鬱になるので、あえて軽くしたというなら良いと思いますが、ほんの少しだけでもそういったどうにもならない現実が垣間見えるカットがあると、より深みのある作品になったのではないかと思います。
役者陣はハマり役ですね。
髙橋海人さんに遊び人のイメージがないので、そこは少し面白かったです。
「芳根京子さん2時間見れる幸せ」
自分ならどう振る舞っただろう
何度も観たくなる作品
鑑賞後もずーっと考える
物語というか設定が面白い。ファンタジーなので突っ込みたいところがいっぱいあって、終わった後もずーっと考えてしまう。
そもそも体の性で好きになる対象の性が決まるの?
2人とも流されすぎじゃない?
もっと葛藤しても良くない?
30なのに他人の身体なのに生き急ぎすぎじゃない?
子供はどうなるの?親は誰なの?産んだ人?育てた人?他人の体のままで生きるって決めたにしても子供作るって無責任にも程があるんじゃない?
というようなことをぐるぐるぐるぐる
結局、現実の似たような問題に当てはまることに気づく。そしてさらに考える。
作者にそういう意図があるかはわからないけど、自分の人生、他人の人生を考えるきっかけになる物語だと思いました。
役者さんたちの芝居は素晴らしかったです。
まなみの独白のシーンはあーっそうなんだね、となりました。
そしてブルーボーイ事件観よう、と思いました。
入れ替わった日常
タイトルから、恋愛モノなのかと思っていましたが、むしろ友情モノでラブストーリー色は薄め。おかげで期待以上に楽しめました。
人物が入れ替わる作品って、映画に限らずたくさんあるかと思いますが。本作が他の作品と決定的に違うのは、入れ替わった状態が十数年も続いているということ。従来の入れ替わり作品は、入れ変わった状態が非日常であり、いかにして元の状態に戻るのかと言ったところに焦点が行ってしまいがちですが、本作ではもはや入れ替わった状態が日常になっています。家族や友人が絡む中、日常になってしまった状態を放棄してまで元の身体に戻るべきなのか、そんな主人公たちの葛藤が見どころです。
恋愛モノと思わせてしまうようなタイトルも、中盤ではその由来がわかり秀逸。
SFのような前提で始まる作品でありながら、現代に馴染みあるトランスジェンダー的なテーマがあり(考えすぎでしょうか)、一方でエンターテイメント性も高く、興味深く鑑賞させていただきました。
冒頭5分で心を鷲掴みされる面白さ!最後まで持続する切なさ!年末に本作に出逢った嬉しさ!
相変わらずどんな作品であるかも調べないで観たものだから、冒頭5分の喫茶店シーンで本作の物語設定に触れて心を鷲掴み。こりゃめっちゃ面白そうだと前のめりになった次第。
まさか男女“入れ替わり“が、高校生時代で発生して15年の歳月が流れてしまうなんて設定、どう考えても面白すぎでしょう。喫茶店の会話シーンでの、芳根京子が「ボク」と言い出し、高橋海斗が「ワタシ」と言い出した瞬間の違和感(まー私は粗筋を見ていないので)からの、設定がわかった瞬間のカタルシスはえも言われぬ楽しさでした。
そこから15年の歳月に渡っての、入れ替わったままの彼・彼女の人生を、あえて時系列をシャフルしながら描かれていきますが、そこには普遍的で誰もが経験する人生の喜怒哀楽が、特殊な“入れ替わり“の要素が加わることで、より際立って浮かび上がっていき、観るモノの心に深く訴えていきます。
捻りの効いた設定だけど出落ち感もなく、丁寧で素晴らしい脚本な上、主演ふたりの素晴らしい演技で、最後の最後まで前のめりのママ、堪能できました! まだ未見の人はぜひ観てほしい作品です。
大切なのは家族とか生活
心に届いた作品
全188件中、1~20件目を表示









