劇場公開日 2025年11月14日

「“カラダ入れ替わり”は使い古されているが、設定が斬新」君の顔では泣けない 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 “カラダ入れ替わり”は使い古されているが、設定が斬新

2025年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

芳根京子は注目している女優の一人だが、高橋海人は何となく好きになれない男優だったので、若干の躊躇はあったのだが、上映時間の都合が良かったので観賞。

そんなんで観てみたら、期待値が低かった性もあるのかも知れないが、思いの外楽しめた。

【物語】
30歳になった坂平陸と水村まなみは1年ぶりに会う。 15歳のときに体が入れ替わったままの2人は毎年一度会っているのだった。

高校1年生のとき、男子生徒坂平陸(武市尚士) と女子生徒水村まなみ(西川愛莉)は、プールに一緒に落ちたことがきっかけでお互い体が入れ替わってしまう。いつか元通りになると信じた二人は、周囲の混乱を避けるため入れ替わったことは二人だけの秘密にすることとし、陸は水村まなみ(芳根京子)として暮らし、まなみは坂平陸(高橋海人)として生活する。 しかし、何年経っても元通りにならないまま、高校卒業・大学進学、さらには陸は結婚して家庭を持ち、15年の月日が流れたのだった。

30歳になったまなみ(高橋海人)は「元通りにする方法が分かったかも知れない」と言い出すのだが・・・

【感想】
観たのが、たまたま舞台挨拶ビューイング付きの上映回で、観賞前の舞台挨拶でも監督・キャストがしきりに言っていたのは、
「“体の入れ替わり”モノは過去多くあるのだが、15年もカラダが戻らない作品は他に無い」

そこが本作の特徴であり、ポイントなのだと理解してから観たが、「なるほど、そうなるか」がまず思ったこと。
確かに過去のカラダ入れ替わりモノは、入れ替わったことに戸惑い、元に戻すことに奮闘した、コメディー基調の作品が大半だったような気がする。それに対して、「15年もそのままだと二人はどう考えるようになる?」というところが斬新なところ。

15歳で入れ替わって30歳の陸とまなみの物語というのも上手い設定だと思った。30歳の陸とまなみにとっては、既に元のカラダで過ごした期間と今のカラダで過ごした期間は同じだということ。さらにこの15年は高校・大学・就職・結婚という大きく人生を左右する期間であることもポイントで、この期間に行った選択、積み重ねて来たもの、築いてきた人間関係がある。どれも重いもので、「どっちが本来の自分?」になるだろう。
一方で、親・兄弟さえ本当の自分を認知してもらえないつらさに胸が締め付けられるシーンも。

あれやこれやあって30歳の時に「戻せるかも」と言われて、カラダを戻したいと思うか、今のままでいいと思うか?
自分だったらどうだろう? と考えてしまう。

結末は観客に委ねられる。
「あなたが望む結末はどちら?」と問われたと感じ。このエンディングはとても良い。

泣き虫オヤジ
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