「繊細に、丁寧に。」君の顔では泣けない きなこさんの映画レビュー(感想・評価)
繊細に、丁寧に。
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もしかしたら、元に戻れるかも?
高校生の男女が入れ替わり、戻らないままの15年間を描いた物語。
お互いしか知らないこの秘密と向き合いながら、時に葛藤し、時に折り合いをつけつつどう生きるのか。生きてきたのか。
高校時代の2人と、以降の2人。4人の陸とまなみを演じた俳優陣の演技が光る。
気持ちの機微を細やかに、丁寧に作られた余韻の残る作品でした。
以下ネタバレ。
冒頭の髙橋海人演じるまなみの背中。
演じているのは男性のはずなのに、まなみにしか見えず、ここで一気に物語に入り込むことができる。
芳根京子演じる陸との2人の会話は、口調もふとした仕草もとても自然。いわゆる男らしい、女らしいというものではなく、陸とまなみそのもの。
後半、会社でのまなみが思わず気持ちを吐露する。それまで時に飄々と生きているのかとさえ思える節のあったまなみの口から、苦しんできたことが語られる。映画の中でも苦しくなってしまうシーンの一つ。
そして車中で最後、陸の気持ちを受け止めるまなみのリアクションにまた胸が締め付けられる。
2人は元に戻りたいのか、戻るのか。原作よりもほんの少しだけ先を描いたラストも印象的。
入れ替わりものが苦手な人こそ楽しめる作品のように思う。
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