「単なるスイッチものではない望外の奥深さに感嘆!」君の顔では泣けない ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
単なるスイッチものではない望外の奥深さに感嘆!
原作未読だが、
芳根京子が坂平陸(男性)、髙橋海斗が水村まなみ(女性)を、
性別が逆転した役を見事に演じ切っており、このふたりでなければここまでのクオリティは
担保できなかったと思われる。脇は特に田崎淳一を演じた中沢元紀の演技が秀逸である。
これまでのスイッチものだと、男女のタブーには触れていなかったように思う
(少なくとも私が鑑賞した作品では)が、
本作は性的なところにもちゃんと触れている。
加えて、スイッチした後のそれぞれの家族との関わりや想い・感情など、
ちゃんと生活に根ざした課題に触れているところが、
実に主人公ふたりに真摯に向かい合った作品だと感じた。
私だったら発狂してまともには生きていけない気がする。
それを乗り越えてスイッチした後でも、葛藤と戦いながらも
前向きに生きていこうとするふたりに元気をもらった。
ラストは戻れたのか?戻れなかったのか?観客に委ねられている。
私はどちらにでもとれると感じた。
いつもの喫茶店で同じ席に先に座り待つ水村(髙橋海斗)、遅れてくる坂平(芳根京子)が
今までも同じだから元のままでは?
一方で、いつも柄物の服を着ていた水村が真っ白なシャツを着ているのが、
坂平の好みなのでは?&佇まいが男性っぽいので元に戻ったのでは・・・とも取れる。
こうやってエンディング後を想像するのが余韻がたなびく映画の特徴であり、
本作は望外に深い作品であった。
共感ありがとうございます!
>これまでのスイッチものだと、男女のタブーには触れていなかったように思う
よくよく考えたらそうですよね。童貞喪失とか妊娠とか、普通のスイッチ物だとあえて避けてきたところに主眼を置いて作られた脚本なのが、功を奏したと思います。
共感ありがとうございました。ラストシーンのシャツの色(だけでなく、途中では派手な色が好みでしたね!)に注目されるとは、鋭いです。座る位置は変わらないけど、大抵先に来た方が入り口を向いて座りますからね。でも描きたいのはスイッチの話ではない、という事なんでしょうね。とても興味深い作品でした。
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