「PR不足感が否めない。」君の顔では泣けない 104ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
PR不足感が否めない。
公開2日目の土曜日で自分含めて7人?でした。平場の月と比較しても極端に宣伝の回数が少ないと思ったので、明らかなPR不足感は否めません。
「男女が入れ替わって、そのまま15年間元に戻らない」という設定の物語だと、とある情報バラエティ番組で知ってとても興味を持ち、公開前にまず原作を読みました(面白ければ劇場へ見に行こうと決めてました)。
小説の原作を読了してその知識を持った状態で映画を観たのは今回が初めてです。
原作では主人公の心理描写を言語化してくれているのに対し、映画ではそれを省いている、それで小説未読の方にも面白いと思ってもらえる作品を作るのは非常に難しいのだと思いました。
特にこの作品は「戻れるか戻れないか」が主題ではなく、入れ替わったままの状態でお互いにどうやって幸せを掴み取るかが最大のテーマになっているため、予備知識無しでそこまで気付くのはなかなか難しく、どうしても戻る戻らないにスポットを当てなければならなかったのかもしれません。
あまり詳しく語るとネタバレなるのでなるべく控えますが、例えば入れ替わった状態の陸(芳根京子)が実の母に会うシーンでは意味不明に母から冷たくあしらわれます(原作を読んでいれば理由が分かります)。
これについては以前、ある映画監督が「映画監督とは膨大な撮影したシーンをどうやって削るかを考える仕事」だと語っていましたので、理由の分かるシーンも実は撮影していたけど、尺の都合で削らざるを得なかったのかな?と想像するのですが、初見の方はモヤモヤとしたかもしれません。
良かった点としては「あのシーンは映画でどうやって表現するのだろう?」「なるほど、こういう手があったか!」と思わせてくれたり、色々な発見を楽しめました。
編集内容について多少の疑問が残ったので★4にしますが、主演両名の素晴らしい演技と映画を観るために先に小説を読んでおくとこんなに楽しいのか、と実感させてもらえたので大満足です。
余裕のある方は映画を観て、小説を読んで、また映画を観るという楽しみ方もあると思いますが、ない方は先に原作を読んでから観る方がおすすめです。
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