「結び様」君の顔では泣けない ブレミンガーさんの映画レビュー(感想・評価)
結び様
最初タイトルを観た時は「そんな失礼な笑」と思いましたが、あらすじを読むとまさかの性別の入れ替わりが15年続いている男女の話というところにめちゃくちゃそそられて鑑賞。
特典は場面写真カードでした。
ファンタジーな設定ではあるのに、本編では現実の重みをこれでもかってくらい浴びせられるので中々ハードな作品だなと思いました。
思春期ど真ん中な15歳の時に一緒にプールに落ちたことがきっかけで中身が入れ替わり、元に戻る方法を探すも見つからず、その体のまましばらく生活するという選択、もし自分だと思うと最初は異性の体だったり、その人の関係性というところで3日は楽しめると思うんですが、そこを越えたらもう地獄だなと思いました。
今作もとい原作の設定は「君の名は。」がよぎるんですが、あちらは1日ごとに入れ替わるというのが明確にあったので、入れ替わりをどこか楽しめたんだと思いますし、当時は入れ替われたら面白いだろうなーと思ったのですが、今作ではしっかり相手のことを考えての生活になるってのがリアルで良かったです。
陸は元の性格もありまなみが仲の良かった女子とは卒業する頃には不仲になってしまっていたり、自分の母親に会いに行ってもうまく接することができなかったり(母親の性格にもちと問題あり)と中々苦しんでるっぽいんですが、まなみは元の性格の感じで上手くやれており、自分の両親ともすぐ打ち解けられたり、親友ともウリウリできるくらい仲良くなっていたりと、中身が入れ替わったらガッツリ性格も変わっているというところが非常に興味深かったです。
陸の童貞をさらって捨ててしまい、なんなら彼女かセフレかってのを自由奔放にやってるまなみは性を楽しんでいるようでしたし、打って変わってまなみの処女卒業がまさかの親友とのセクロスというとんでもない体験をしてしまったり、まなみの体でガッツリ妊娠していたりと、男性の体では絶対に経験できないものをしているという選択を取っているのは凄いな、自分ではその選択は絶対にしないなともなったりして肝が冷えまくりでした。
それぞれ進学した中で、毎年会う日を決めて会ったりする場面もありつつ、やはり元の体に戻る方法は無いか無いかと探したりもしつつ、元の記憶があやふやになって思わず泣いてしまうだったり、そこでこの作品のタイトルの意味が沁みてくるのが良い作りでした。
確かに自分の泣き顔を見るのって嫌だし、相手の顔で泣くってのも申し訳なさがあったりもするので、そこで元の体に戻りたいというセリフもグッとくるなとなりました。
最後の展開、その後の2人の対面もどっちに転んだんだろうというのも考えられたりして良い終わり方だなと思いました。
中々ない展開で進んでいく作品なので、新鮮味があって良かったと思います。
このシチュエーションってもしかしたら現実でも有り得るんじゃない?と想像力が膨らみながらの帰路でした。
鑑賞日 11/15
鑑賞時間 9:00〜11:10
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