ストロー 絶望の淵でのレビュー・感想・評価
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救われる、もあるが、これがアメリカの側面も
Netflix オリジナル 2025年作品 クライム ヒューマン映画 日本語吹替版あり
“STRAW” には藁(わら) 一本 から 一縷(いちる)の望み という意味が。そしてスラングで’that's the last straw’で「堪忍袋の緒が切れた」という意味もあるようです。
ジャナイアは黒人シングルマザー。愛娘アリアは複雑な病気を持ち、生活は苦しい。しかし大人になるまでに克服してほしいと日夜頑張る。しかし世間は厳しい。家賃滞納で退去を迫られる。昼食でいじめもある。給料日に店長とトラブルとなる。その後銀行でもトラブルになる。娘の昼食代を引き出したいだけなのに…。
冒頭は、いくら貧困が理由でもヒステリックな女性を見るのは…。この映画、失敗だったかな?
しかし銀行の場面からはどんどん映画に引き込まれる。
この後ネタバレあります
生中継、コッソリスマホ撮り、SNS民衆、地元警察•FBI、ストックホルム。
いや単なるストックホルム症候群(犯人に感情移入)ではない、ジャナイアの本質が真に理解できたから。ケイもニコールも老婦人も理解してくれた。
女性だから、黒人だから、ではない。あくまで個人の資質。ステレオタイプではない。
でも映画は非情。最悪の結末が…。
最悪の一歩手前が救いか…。
………………
日本語版キャスト
ジャナイア(主人公シングルマザー):山根舞、ケイ(女性刑事):山賀晴代、ニコール(銀行支店長):平野夏那子、ウィルソン本部長:竹田雅則、リチャード(スーパー店長):石住昭彦、イザベラ:小宮和枝
「ダンス・イン・ザ・ダーク」ほどじゃない——
終始心が痛い
『Straw』(ストロー: 絶望の淵で)が突きつける「自己責任論」の虚構
Netflixで配信されている映画『Straw』(ストロー: 絶望の淵で)を観て、深く心を揺さぶられました。この作品は、単なるサスペンススリラーに留まらず、現代社会に根深く存在する「やるせなさ」と「苦しみ」の根源を鮮やかに暴き出しています。
主人公ジャナイアに降りかかる「不幸のつるべ打ち」は、まさに現実の社会で人々が直面する困難の縮図です。貧困、難病の娘、そして社会の偏見や不信…。個人の努力だけではどうにもならない壁が、次々と彼女を追い詰めていく様に、観る者は怒り、そして深い共感を覚えるでしょう。
特に印象的だったのは、「信じてもらえない」絶望の描写です。彼女のマイノリティ性が、社会の構造的な差別に晒される様子は、決して映画の中だけの話ではありません。私たちが日々生きる社会にも、同様の「闇」が存在すると痛感させられます。
ケン・ローチ監督の『わたしは、ダニエル・ブレイク』や、入江悠監督の『あんのこと』が好きな方には、特におすすめしたい作品です。これらの作品に通じる「やるせなさ」は、私たちに現代社会の問題について深く考えるきっかけを与えてくれます。
あなたは、この映画を観て何を感じましたか?そして、あなたの周りの社会は、この映画が描く「闇」と無縁だと言い切れるでしょうか。
【個人的な補足】
この映画について、さらに詳細な考察や、他の社会派映画との比較については、私のブログでも深掘りしています。もしよろしければ、「自己責任論では語れない現代社会の闇」と検索してご覧いただけると嬉しいです。
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