配信開始日 2025年6月6日

「『Straw』(ストロー: 絶望の淵で)が突きつける「自己責任論」の虚構」ストロー 絶望の淵で jasperさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0『Straw』(ストロー: 絶望の淵で)が突きつける「自己責任論」の虚構

2025年6月16日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

Netflixで配信されている映画『Straw』(ストロー: 絶望の淵で)を観て、深く心を揺さぶられました。この作品は、単なるサスペンススリラーに留まらず、現代社会に根深く存在する「やるせなさ」と「苦しみ」の根源を鮮やかに暴き出しています。
主人公ジャナイアに降りかかる「不幸のつるべ打ち」は、まさに現実の社会で人々が直面する困難の縮図です。貧困、難病の娘、そして社会の偏見や不信…。個人の努力だけではどうにもならない壁が、次々と彼女を追い詰めていく様に、観る者は怒り、そして深い共感を覚えるでしょう。
特に印象的だったのは、「信じてもらえない」絶望の描写です。彼女のマイノリティ性が、社会の構造的な差別に晒される様子は、決して映画の中だけの話ではありません。私たちが日々生きる社会にも、同様の「闇」が存在すると痛感させられます。
ケン・ローチ監督の『わたしは、ダニエル・ブレイク』や、入江悠監督の『あんのこと』が好きな方には、特におすすめしたい作品です。これらの作品に通じる「やるせなさ」は、私たちに現代社会の問題について深く考えるきっかけを与えてくれます。
あなたは、この映画を観て何を感じましたか?そして、あなたの周りの社会は、この映画が描く「闇」と無縁だと言い切れるでしょうか。
【個人的な補足】
この映画について、さらに詳細な考察や、他の社会派映画との比較については、私のブログでも深掘りしています。もしよろしければ、「自己責任論では語れない現代社会の闇」と検索してご覧いただけると嬉しいです。

jasper