「ファンサービス満載だが、脚本の穴が気になる」映画ラストマン FIRST LOVE アラ古希さんの映画レビュー(感想・評価)
ファンサービス満載だが、脚本の穴が気になる
完結したテレビドラマの劇場版である。ドラマを見た人が観客の対象になっているので、人物関係の説明などは一切ない。従って、ドラマを完走していないと疎外感を感じるはずである。完結したドラマの劇場版を作るには、過去のエピソードを発掘するしかない訳で、案の定、昔の重要な知り合いが初登場してキーパーソンになっている。
ドラマが楽しめた人なら楽しめる作りになっていて、東京出身という設定の護道心太朗(大泉洋)が北海道ネタになまら(やたら)食いつくところが非常に笑える。また、大学生時代の皆実広見(福山雅治)を演じた濱田龍臣が福山の仕草を忠実に模倣していて非常に見事だった。しかしながら、この物語には非常に設定の穴が多いのが気になった。
ロシアからアメリカに亡命しようとしている人物が何故北海道にいるのだろうか?また、保護しようとしている人物を不用意にファミレスなどに連れ出して襲撃されるとか、再三あまりにお粗末な警察の振舞いも気になった。更に、最後の事故からどうやって?という肝心な部分が全く描かれていないのには脱力を禁じ得なかった。
皆実が盲人であることを活かした展開は見事なのだが、いくら何でも拳銃を撃つのはどうなのか?いくら補助者の認視を借りたとしても、動いているターゲットを撃つのは至難の業だし、流れ弾が味方に当たったりするリスクが高過ぎる。暗闇での戦闘なら盲人の方が有利だという話も、画面が明るすぎて暗闇に見えなかったのはどうかと思った。
皆実が FBI の捜査官になりたいという話で、何故二人が別れなければならなかったのかも良く分からなかった。ロシアでなくアメリカで研究を続けられる就職先を探せばいいだけではないのか?別れているという現在の状況に合わせるために、苦し紛れの展開を強いているようにしか見えなかった。また、皆実を超えると息巻いている FBI の初登場の捜査官が、何故あの国の人間なのかが不可解だった。丁BSではしょうがないか。
最後に渡されたデータは、伏線を工夫すればもっといくらでも胸を打つ話にできたと思うのだが、あっさりし過ぎていて残念だった。しかしながら、ドラマを完走したファンへのサービスは満載で、細かなところに目くじら立てなければ、それなりに楽しめるのかも知れない。
(映像5+脚本4+役者5+音楽3+演出4)×4= 84 点。
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