「第1作を知る必要性の是非」ザ・コンサルタント2 R41さんの映画レビュー(感想・評価)
第1作を知る必要性の是非
第2作目のこの作品は第1作目を知らなければわからない。
天才的会計士と暗殺者との組み合わせと彼の背景が語られた第1作だったが、第2作目のこの作品はその下地を理解していなければ面白みが薄く、また物語そのものを動かしている動機に矛盾を感じてしまうだろう。
この第2作には他の映画で使われていた型がいくつか見えた。
特に強く感じたのが「X-MEN」だった。
また、
物語の根幹に見える犠牲者が子供たちだというのは、現代社会の闇を露呈していた。
アメリカに入国する移民を、カルテルが人身売買事業にしている点はリアルだったしそれが現実でもある。
かつて第一線で活躍していたキング
冒頭のビンゴゲームの老人
彼がアナイスに伝えたかったことこそ、本当の彼女のことであり、彼女の過去と今でも生きている可能性のある息子だった。
このキングがクリスの妹ジャスティーンの力を借りていたことで、この第2作がスタートした。
人身売買組織のボス バーク
組織はイディス・サンチェスに売春させていたが、彼女が組織のしていたことをすべて記憶していて、そのピースがつなぎ合わされたことで、彼女の情報を恐れ殺そうとした。
物語は「後天的サヴァン症候群」というのがポイントだが、おそらく先天性もあるのだろう。
実際彼女の息子アルベルトもサヴァンだった。
事故によって脳の活動が特定部分に集約されたことで、イディスの特殊能力が開花した。
さて、
一番ややこしい点がそこで、つまり殺害に失敗したバークだったが、彼は後天性サヴァンで特殊能力を開花させたイディス=アナイスの保護者になって彼女を暗殺者と資金洗浄の頭脳として再利用していたというのがこの作品の核となっている。
そして、この作品は第1作を理解しなければ矛盾だらけに思えてしまう。
アナイスはバークの指令通りにナディアを殺害しようとした。
その際彼女の部屋で見た1枚の写真によって、アナイスは過去の自分自身を思い出すことになる。
アナイスやクリス、そしてブラクストンの語られない心理描写の数々は、作品そのものを面白くさせているものの、第1作を知らなければわからないという点に難が残ってしまった。
そしてまた、
フアレスに行って子供たちを救い出すシーンがあるが、ハッキングをしながら情報を見ている子供たち、特に彼らの妹ジャスティーンが絶体絶命の子供たちの映像を見ていられずに端末すべてをシャットダウンさせる辺りの心情描写は子供たちの素直さと純粋さを表現していて素晴らしいが、わかりにくくもある。
先天性のサヴァンが後天性になって特殊能力を開花させる。
この設定は面白かった。
ただ、
既に会計士クリスの背景が第1作で語られているとはいえ、そのままの彼の姿を挿入してほしかった。
設定としてしか残っていないクリスの背景
第1作を理解していなければわからない第2作という設定
面白さと難ありとがどうしても交錯してしまった。