鏡(2006)
2006年製作/14分/カナダ
原題または英題:Mirrors
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2006年製作/14分/カナダ
原題または英題:Mirrors
日本ではこの作品以外の経歴がほとんど不明な、エティエンヌ・デロシアーズ監督による、14分の短編作品。
後に俳優、そして映画監督として時代の寵児となる、グザヴィエ・ドランの俳優としての経歴の出発点となった作品でもあります。
デロシアーズ監督はオーディションに参加した約80人の中からドランを見出した、と語っていますが、映像が捉える彼はこの言葉通り、端麗な容姿以上に悩み苦しむ青少年の姿で、強烈な印象を残しています。
『わたしはロランス』(2012)や『Mommy/マミー』(2014)、『たかが世界の終わり』(2016)、『マティアス&マキシム』(2019)など、後のドラン作品と比較してみると明らかなように、自らの心身や感情に悩み苦しむ本作の主人公、ジュリアンは、彼が諸作品で繰り返し描き続けてきた人物像と重なり合います。本作って、ドラン監督の作品じゃないの!?と勘違いしてしまいそうになるほどに。このことから本作への出演が、映画監督の面でもドランに大きな影響を与えたことは間違いなさそうです。
残念ながら本作の鑑賞機会はそれほど多くないのですが、企画上映や期間限定配信という形で時折公開する場合があります。ドラン監督作品に興味を持った人にとっては、彼の経歴の出発点を知る絶好の機会となるので、その機会を逃さないようにしましょう!