「【感涙】地元ミニシアターで上映される機会が来るのを待っていました。」黒川の女たち 天空住人さんの映画レビュー(感想・評価)
【感涙】地元ミニシアターで上映される機会が来るのを待っていました。
・7月のテレビ朝日の報道ステーションで「ドキュメンタリー映画「黒川の女たち」が間もなく上映されます」というニュースが流れてから、地元ミニシアターで上映される機会が来るのを待っておりました(東京都内等の映画館まで出かけるフットワークがないため)。
・満州開拓団をはじめとした「民間人」は、ソ連国境沿いに置いてけぼりにされ、関東軍はさっさと撤退し、日ソ中立条約が破棄された後、ソ連が攻め込んできた事は、「映画ラーゲリより愛をこめて」を観るまでもなく、歴史的史実として承知しておりましたが、18才ぐらいの若い女性が「黒川開拓団」をソ連軍や満州の現地民から守るための犠牲となり、ソ連軍の性暴力に服する事実は唖然とするしかありません。映画館内の女性観客がすすり泣きをしていました。
・「なかったことにはできない」。この心の叫びは、現在90歳過ぎの女性たちが「今語っておかなければ、歴史の中に埋もれてしまう」という危機意識から、顔を出してまで映像の中に登場して告白するという行為につながったのでしょう。
・現在は「男女共同参画社会の構築」、「女性の自立」という言葉が当然のように語られますが、戦争当時は男尊女卑の社会であり、女性は男性に仕えるという社会風潮だったと思います。現代がいかに恵まれているかという事がよくわかりました。
・この映画が上映されているのは主に「ミニシアター」。黒川の女たちの事実はもっと広く世間に知られるべき事ですが、シネコンでの上映はイオンシネマなどの一部にすぎません。そのことは残念に思います。
・この映画が作成された事、黒川の地元に乙女の碑(プレート)ができたので、後世に史実が残されたのは良かったと思います。
・この映画を鑑賞できたことに感謝いたします。
