「タイトルなし(ネタバレ)」黒川の女たち りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
終戦時、満州開拓団を襲った悲劇・・・
太平洋戦争後半、貧農たちは満蒙開拓へ急き立てられるように海を渡った。
岐阜県黒川村の農民たちも、そんな集団のひとつだった。
開拓とは名ばかりで、既に開拓されてた土地を現地の人々から安く買い上げて農業をするのだ。
だが、終戦間際、ロシアの参戦により状況は一変する。
開拓団を守るべき日本の関東軍は知らぬうちに撤退。
土地を奪われた満州の人々が開拓団の集落を襲う。
身の安全を得るために開拓団が採った手段、それはロシア軍に守ってもらうかわりに、村の若い女性を差し出すことだった・・・
という太平洋戦争秘話。
犠牲になるも生き延びた女性たち、遺族たちの証言。
十数年に渡る取材・インタビューをまとめたドキュメンタリー。
事の陰鬱さとその後の対応は、いま振り返るべき重みがある。
このことについては「隠すべきこと」として、封印されてきた。
「なかったこと」にするよりも酷く、「あったこと」だが「忌むべきこと」としても封印。
犠牲になった女性たちの扱いは、帰国後の方が酷かった。
団長ほか、開拓団をまとめる立場の者たちが、生き延びるために若い女性たちを差し出すという決断をしたにもかかわらず・・・
この構図は、戦争についての責任を追及せずに、GHQ指導の元に戦後生活を得た日本そのものに重なる。
というわけで、描かれる内容は非常に重要である。
が映画作品としては、テレビの報道特番のような印象を受ける。
これは、同じようなショットや証言が繰り返されるからか。
それとも、本件を次代へ繋ぐ、という流れ・作品のつくり自体が綺麗事にみえるためか。
映画としては「惜しい」感じがしました。
いうなれば、ルポルタージュ本として、じっくり読みたかったなぁ、という感じなのだ。