劇場公開日 2025年7月12日

「戦争を題材にした映画が続く」黒川の女たち AWMRさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 戦争を題材にした映画が続く

2025年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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25年12月公開のペリリューはまだ先だが、それまでにこの夏は戦争をテーマした映画が続く。本作品はいきなりの衝撃作!
満州に行った人については、TV深夜ドキュメントや黒川開拓団碑文の新聞記事で知った気になっていたが、この映画を観て、知らなかった事実に圧倒された。
黒川開拓団のあった岐阜県のイオンで観たが、終わって観客席を見ると、先ほど映画に出ていた黒川開拓団遺族会会長がいるではないか。この方のお陰で岐阜県 白川町(旧 黒川村)の佐久良太神社に 開拓団 碑文が新たに建立されたのかと感慨深い。映像に出てた奥様も同席されていた。団長に「良い映画を有難うございます」と声かけされた観客もいた。
但し、岐阜県なので観客は多かったが、すべてシニア世代であった。
映画では学生時代に黒川開拓団を取材し、その後、男性教師となった人が女学生に黒川開拓団をテーマに授業する場面が収められている。学生は真剣に学んでいたが、残念ながら実際の映画館上映となると若い人が観に来ないのは惜しい。ナレーターの大竹しのぶは黒川のことを知っていたようで、それはそれで良かったと思うが、ナレーターを男性や女性のアイドルに依頼すれば少しでも広い世代の関心を集められるかもと思った。
黒川の語り部となった女性たちは子や孫たちに満州の事を隠さず話していたと言う場面があった。子や孫たちはそんな彼女たちを尊敬していたとのこと。若い人が観に来ないと書いたが、もし自分がその立場となったら若い人にも伝えられるかと自問自答する。よほど信念や自信がないと出来ないことで本当に稀有なことである。
歴史に残る映像となった。先人の苦労が報われることを祈りたい。

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AWMR