「一線を超えた作品」アジアのユニークな国 tarareさんの映画レビュー(感想・評価)
一線を超えた作品
純粋社会派深刻喜劇とは何か
と、よくわからず映画を見たが、そのままその全てが詰まった作品。
深刻であり社会派であり、それを喜劇的に構成。
残る純粋とは何か、演じる役者たちの芝居がピュアで生々しく、そこで生き生きと描かれている。最低限のシチュエーションで実にシンプルであるが、無駄が無く、キャラクターが実に良い。
義理の父を介護しながら、同じ屋根の下で売春をする主婦。その家族を覗き見する隣家の主婦。客として来る男たちもまた人間味が溢れ、何も知らないその家で暮らす夫の誠実さが愛おしくもある。
見終わってみればその一家に入り乱れたキャラクターたちが自然にそこで生きている。
メインキャストではない警官がまた面白く、これぞ端役の鏡ではないかと唸らされ、ラストシーンに少しだけ出てくる、売春客の娘の彼氏がタイトルを締めくくる。ラストのエンドロールで笑いを誘うなんて余程の作家でなければ為せる技ではない。
とにかく楽しめた。
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