Dear Stranger ディア・ストレンジャーのレビュー・感想・評価
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今ひとつ散漫な気がする。
人種の坩堝、大都会の廃墟と現代人の心の荒み、これらがテーマなのかな。托卵というか妻の不貞というべきか、男の甲斐性のなさと研究テーマの「廃墟」が少しやり過ぎな程に記号的で、ちょっと気になるところ。なので警察の捜査と鑑識が余りに雑なのは、あんな程度の事件にマンパワーを投入することを無駄と思っているアメリカの行政機関としての警察の限界なのか、話の展開上あの程度で良しとしておかないとと思った脚本家・演出家の都合かは分からないが。日本人が監督してもあの景観と空気感でアメリカ映画っぽくなるのね。後半の西島秀俊がビルの合間のオフィス街を車で進む主観映像を見ていて、勝新太郎主演の勅使河原宏監督・安部公房原作の「燃えつきた地図」を思い出して懐かしさを感じた。思ったより長さは感じなかった。大好きなグイ・ルンメイを見ることが叶ったからか。とりあえずは満足しています。
すごくおもしろかった
もったいない
テーマは良いし、面白くなりそうな要素が随所にあるが、結局は海外のアート系映画を装った独りよがりな日本映画で終わってる。
この監督は、はっきりと描かないことが良い、と勘違いしているのではないだろうか?もちろん説明的に全てをセリフで説明しろとは思わないが夫婦間の葛藤にせよ母語ではない英語でのコミュニケーションの不全にせよ、人形や廃墟に託された意味にせよ、謎めかしている割に全てがあまりにも「ありきたり」過ぎて興醒めしてしまう。廃墟となった劇場で拳銃をぶっ放したり、街中で人形の幻影をふらふらと追いかけるといった予告で印象深かった思わせぶりな場面も、結局大した意味はなかった。散々もったいぶった挙句、何の意外性もないままこの程度の内容で観客を置き去りにして唐突に終わる構成に怒りすら覚える。
おまけに画面も暗すぎる。演出意図としてあまりにも安易だし、それ以前に「グレーディング下手くそだなー」としか思えない。
全てが中途半端。すかしてんじゃねーよ。
イライラ、憤り、曖昧模糊・・・
人形や動物のパペットはかなり良かったけど、他があまりにも良くなさすぎた印象で、申し訳ないけど、結構嫌な作品だったという印象です。
ざっくりとした流れや表現したいことは伝わってきたのですけど、肝心な場面がめちゃくちゃボカされているというか、はぐらかされているというか、混乱きわまりない描き方で、なんか、主演の怒り爆発の演技でもってこちらの憤りも助長されていく感覚で嫌でした。それまでにも、ずっと気になる音やら決して消されることがない落書きが終始見ているこちらの気持ちをざわつかせ、それは分かりやすさやシンボリックという意味では見事なまでに表現されているとはいえ、観賞する立場としては、かなり嫌な感じでありました。
展開や設定、ストーリーと、全てにおいてツッコミどころ満載です。格好良さや独自性ということの前に、まずは最低限すべきことがあったんじゃないかなぁと生意気にも思ってしまいます。懸命に質の高い作品を作ろうとしていることは十分理解できるのですけど、それでもなお文句を言いたくなるような困った作品だなーなんて─。
本当は気になるツッコミどころを並べ記そうかと思ったのですが、疲れるだけでだれも得しないので、これで終。
グイルンメイ
雰囲気優先でイマイチ没入できない
■ 作品情報
監督・脚本は真利子哲也。主要キャストは賢治役に西島秀俊、ジェーン役にグイ・ルンメイ。日本・台湾・アメリカ合作のヒューマンサスペンス。
■ ストーリー
ニューヨークで暮らす日本人教授の賢治と、台湾系アメリカ人の妻ジェーンは、仕事、育児、介護に追われ多忙な日々を送っていた。ある日、4歳の息子・カイが誘拐される。この事件をきっかけに、一見幸せに見えた夫婦の間に隠されていた本音や秘密が露呈していく。誘拐犯が死体で発見され、警察の捜査が進むにつれ、夫婦が抱えていた“暴いてはいけない秘密”が浮き彫りになっていく。
■ 感想
誘拐事件という衝撃的な出来事が、幸せだった家族に大きな試練を与え、夫婦関係が急速にギクシャクしていくさまが、痛ましくも切ないです。しかし、その幸せは元々、本音や真実を隠した危ういバランスの上で成り立っていたのではないかと感じます。事件はあくまできっかけであり、すでに内在していた不和への止めを刺すかのように、夫婦の間に潜んでいた秘密や本音を浮き彫りにしていきます。
全体に漂うのは、上質なヒューマンサスペンスの雰囲気。夫婦間の心理戦や、隠された真実が少しずつ明らかになる過程は、確かに観客の心をざわつかせます。夫の賢治が廃墟研究に没頭し、妻のジェーンが人形劇に打ち込む姿は、彼らの生き方や内面を色濃く反映しているように思えます。
しかし、正直なところ、その象徴性が難解で、彼らの行動や感情に深く共感することができませんでした。そのため、物語世界に没入しきれず、どこか客観的な視点で展開を追ってしまっていたのが残念です。
また、二人の過去があまり明確に描かれないことや、画面の暗いシーンが多いことも、物語の魅力を掴みにくくしているように感じます。雰囲気作りには貢献しているものの、それが物語の骨格を曖昧にし、感情移入の妨げになっていたのかもしれません。観終わった後には、重い余韻が残るものの、個人的にはもう少し踏み込んだ人物描写や明瞭な語り口があれば、より心に響く作品になったのではないかと感じています。
優秀なパーツはあるが面白くならない不思議さ
ニューヨークと俳優の佇まい、ルックはとてもいいのに、、、という感じ。終始お話のスピードはあがらず、エモーションも繋がらず、ハッタリもあまり効かず、物語のスイッチが入った途端に停滞に移り、そしてこちらがまたお前かと言いたくなる「ひとり警察」が気の抜けたゴーストのようにフレームに入ってくる。。
設定は悪くない。舞台はニューヨーク、日本人と中国人夫婦、言葉の違い、分かり合えない夫婦にはその理由があった。ただそれは言葉の壁だけではなかった。。まあ結婚して5年もすれば言葉の壁とかの問題ではないよな。そして冒頭からどうもふたりの子どもには見えないよなと思ってるとネタ的にそうだったか。そして誘拐事件は夫婦間の亀裂に含まれる問題が表面化したものでもあった。
なんというかミステリーやサスペンスの語り口が上手いわけではないのにネタを盛り過ぎというか。『落下の解剖学』も確か国籍言葉が違う夫婦だったと思うけど、ああいうのを観てしまうとネタがうまく使えてない、と思ってしまう。更に英語でのお芝居がなんか興を削ぐ。西島秀俊の廃墟散策とかグイルンメイ単独の人形芝居などはいいが、セリフの掛け合いというかぶつかりあいになると途端にこなれない苛立ちの連続で単調になる。この監督はセリフではない描写でないと面白さが出ないのでは、と『ディストラクションベイビーズ』を思い出す。更に音楽はジムオルークだが、これも使い所が何かもったいないというか。。振り返ってみても各パートはクオリティは高い、というかそういう人が集まってる感じがするけどまとまって力が発揮されてないというかモタモタし過ぎてる
Drive My Car Again
ニューヨークの大学で教鞭を執る日本人助教『賢治(西島秀俊)』の研究対象は「廃墟」。
その原体験は、「1.17」にある。
震災で家族は皆亡くなり、自分だけが生き残ったことに
罪の意識を抱えている。
妻の『ジェーン(グイ・ルンメイ)』は中華系のアメリカ人。
人形劇団のプレイングディレクターも、
今は四歳の息子『カイ』の世話と近所に住まう父の介護、
母が経営する雑貨店のサポートに追われ劇団は休止状態。
ある日、幼い息子が誘拐される。
それを契機に、隠れていた夫婦の感情のすれ違いが露呈するプロットも、
実際はそれ以前から関係の軋みが各所に見られる。
廃墟となった映画館を定期的に訪れる『賢治』や、
家に持ち帰った人形と密やかに戯れる『ジェーン』の姿はその証左。
夫婦が今の住居に越した経緯すら、
互いの利便が優先されたとの不満を持つ。
それが事件を契機に表出したに過ぎない。
事件は誘拐犯が死亡し、息子が無事に保護されたことで
一旦の解決を迎えたに見えたが、
警察は四歳の幼子に疑いの目を向ける。
結果は『賢治』の贖罪的な行為に繋がるも、
科学捜査はどこへ行ったんですか?との疑問が頭をむくむともたげるほどの
無能な捜査ぶり。
一見有能そうに見えた刑事は、
全てを理解した上で『賢治』の表面的な罪滅ぼしに手を貸しているのか、と
穿った見方をしたくなるほどの意味不明な行動。
息子のことになるとエキセントリックな態度をとる『賢治』。
が、捜査への協力をあからさまに拒否したり、
証拠らしきものを見つけても独断的に行動したりと、
あまりにもアンビバレンツ。
共感の欠片も持てぬ人物造形。
廃車同然の自家用車に乗り続けるのは
「廃墟」についての想いの延長とともに、
自身の心中の荒廃をも象徴しているよう。
『ジェーン』にしても、
何故か重要な手掛かりを警察に渡さない。
普段の息子を溺愛する態度と、
あまりにも裏腹に見える。
身近な存在でも、
言葉によるコミュニケーションが不全で
時として衝突するのは共同生活の常。
それをどうにか折り合いをつけるのは
継続する課題も、
心の奥底に潜む闇が阻害する。
シンプルなテーマを
持って回った表現で却ってわかりにくく描く。
一方でモチーフはありきたりで、
斬新さはない。
中途挟まれる人形劇のシーンも、
何を象徴しているかさえわからない。
三拍子揃った独りよがりの一本だ。
雰囲気ある作品だけど好みではない
人間関係の不協和音と自動車のノイズ
まさに全てがデァーストレンジャー?
バベルの塔
NYで暮らす大学で廃墟の研究をしている日本人助教授の夫と、人形劇団の監督兼演者で台湾系2世の妻という、結婚して5年の夫婦の仕事と家庭と掛け違いの話。
人形が壊れたことで休業中の妻が、近くに住む両親が営む商店の店番を息子と共にしていたら、店に覆面強盗が襲来し、と始まっていく。
父親の介護が大変なのはわかるけれど、娘に自分の都合を押し付けようとして、断られると全否定して、と古いアジア人思考丸出しの婆さんと、これまた自分の虫の居所の悪さを家事のことにして夫にぶつける妻…と思ったら夫もなかなかでどっちもどっち!?だけど過去の話しってこれ…。
警察には提出してないし初見なのか?な映像で一気に頭の中で話しが繋がって、話しも転がり始めるけれど、BARの行の妻はお前がいうな状態だし、そんな訳のわからない開き直りというかブチキレで終わりって…。
なんだかムダな描写が多い割に、本筋部分は粗く感じてしまい悪い意味でモヤモヤした。
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