「素晴らしい傑作でした。」Dear Stranger ディア・ストレンジャー ぽっぴーさんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい傑作でした。
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西島秀俊演じる主人公の賢治は、天災で家族を失った男で、自らが拠って立つ場をどこにも置けない。研究テーマである「廃墟」に神々(善も、悪も。天国も、犯罪も)を見る彼は、ニューヨークで、ジェーン、そして、(ジェーンあるいは自分の影のような存在である)ドニーと出逢う。夫婦の話というよりも、賢治・ジェーン・ドニーの3人の話として観ることが、この作品を味わうポイントだと想った。
「Dear Stranger」の物語は、
賢治が、本当の意味で(全存在をかけて)、ジェーンとドニー、カイ、そして自らを受容する話であり、
廃墟に自らや日本を追い求めた彼の研究テーマが表現へと昇華していく話であり、
ずっと見失っていた自らの魂の在りかを見つけた物語である、と思った。
そのためには、西島秀俊がたった一人の日本人俳優として、異国の地で、ほぼ異国のスタッフに囲まれて、英語で演技をする必要があったのだろう。どこにも拠って立てない男である必要があった。
日本映画として大胆なチャレンジをした監督と、その想いに応えた主演俳優、そして、作品への深い理解とともに表現をしたグイ・ルンメイさんに、拍手!
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