ベートーヴェン捏造のレビュー・感想・評価
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気軽に楽しめる歴史ミステリーの良作
予告で引っかかっていた、なんで日本人キャストで近世ヨーロッパの音楽家たちの物語をやるんだ……という部分は、物語冒頭でうまく処理され、気持ちよく映画空間に入っていけました。
タイトル通り、現在残っているベートーヴェンのイメージがどのように捏造されたのか? を解き明かす作品ですが、若干のコミカルさはありつつも、歴史ミステリーとして楽しめるような描き方がなされています。
現代パートを付けたことが本作の素晴らしいところですが、もう少しこの部分のボリュームを増やせば、「捏造」というテーマに沿ったバカリズムさんらしいシニカルさがさらに強調されたんじゃないかな、という気がしています。
あと、残念だったのは美術面。
説明用に出てくるCGがやや安っぽく、欧州の街並みを再現するはずのLED背景もあまり馴染んでおらず、不自然なルックになってしまったのは残念です。
このあたりを追求する映画じゃないのは理解してますが。
真実でも虚構でも
驚いたことに、とても良かった…
正直言ってあまり印象の良くない監督&脚本家のコンビだったので期待せず観たのだが……とても良かった!
音楽と役者の良さもあるが、筋運びも枠もイイ感じ。
ウンチクもユーモアも行き過ぎず適度に抑えられていて楽しめたし、日本人が西洋人を演じることに違和感がないどころか、却って伝わりやすくなっていた。
客席はガラガラでしたが、エンドロールの音楽が終わった時には思わず拍手しそうになりました。
…先入観で観る観ないを決めてはいけないな、と。
伝記に盛りが多いのは、ベートーヴェンに限らないかと。
好きな人は良いほうに盛りたくなるし、嫌いな人は穿った見方をしてしまうのが人間だし、公平に書こうと距離を置いたら、話がつまらなくなるのは必然。
結局、真実なんてのは、人それぞれの主観の中に存在するものなんだと思う。
そういえば、音楽はまさに主観だろうし、真実でもある気がする…
なぜ映画にしたのでしょう?
松竹の宣伝がダメ
YouTubeで映像を観た際にコメディ映画だと思い込みました。バカリズム脚本でもありますし。
しかし内容は学校の音楽教師と生徒の部分を除けば「かげはら史帆 」さんの3刷された原作にほぼ忠実。
特に後半は。
松竹は「大怪獣のあとしまつ」てもコメディなのかなんなのか不明な宣伝と扱いでしたから、またもや同様の宣伝の仕方てすね。
映画の内容はクラシックに興味のある者なら既知の内容、エピソードですが、とても興味深い内容です。
ウィーンやベルリンの街並みやホール等がCG(LED)なのも良いかと。
芝居の書き割りと思えば違和感はありません。
何より上映中、ベートーヴェンの美しい音楽に浸れるのも素晴らしいかと。
但し評価は分かれる作品。
有料なのだからそれで良いと思います。
結構マジメに作ってんぢゃーーーん。(^_^;
ベートーヴェン×バカリズム=最高!
客観的な歴史は無い。有るのは観察者が介入した解釈のみ。
量子力学が、観察者の影響無しの客観性が無いと言う様に、歴史も同様。
実証主義史学とは、語彙矛盾、有りあえない。
誰かが、記録を読み、誰かが感じて、取捨選択し書いた。
関ケ原の戦い、明治維新、WW2、全部、本当であると同時に全部嘘。
バカリズム
英雄をプロデュース
わたしは広告屋なので、毎日のように企業や商品の美辞麗句をせっせと量産してきた身。企業や商品をあらゆる角度から観察し、関係者すべてにインタビューし、酸いも甘いも理解した上で、徹底的に惚れ込んで、良いことだけがより良く伝わるように。都合の悪いことは無かったことに。そんな毎日を送っているので「我こそが真実のベートーベンを知っている」と豪語するシンドラーのねじれた気持ちはよくわかります。
逆の立場で登場する真実を追求するジャーナリスト、セイヤーの熱意には、誰のための正義かわからんけど本当のことを伝えることが飯の種な文春味を感じたり。
つまりこれベートーベンの伝記を借りたメディア操作の内側の暴露話とも読めたりします。
にしてもキャストがありえん豪華だし、衣装にも小道具にもたっぷりお金かかってます。全部スタジオで撮るからロケモノとはお金の使い所が変わってくるのかもしれませんね。強いて言うなら全体に絵本的ファンタジーなのでLEDバックのウィーンの街並みは前半で挟んだイラストを使っても良かった気もしますが…。
とはいえたいした違和感もなく外国人を日本人が演じてることに日本映画の可能性を感じましたね。
嘘つきはコピーライターのはじまり。
嘘つきはプロデューサーの始まり。
小川で見かけたメダカの話をそのまま話すより、クジラを見た話に盛ってしまう方が楽しいと思ってしまうわたしには色々考えさせられる映画でした。
それではハバナイスムービー!
偉人の私生活を詮索することは「利にならない」
配役全員日本人で日本語で会話するということで、パロディかコメディを期待すると肩透かしを喰らいます。だからこそ低評価が散見されるのかもしれません。
内容的にはNHKーBS辺りのドキュメンタリーに似ているかもしれませんが、「フィクションも散りばめられている」との断り書きもある通り、ドキュメンタリーとまでは言えないのでしょう。
この手の偉人の裏話や私生活暴露系の書籍は昔から珍しいものではありませんが、せいぜいトリビア的な扱いに留まるものです。実際、偉人が残したものと較べたら「だからどうした」でしょう。仮に私生活がどんなにとんでもなく、ゲスであったとしても、なし得たことや残したものの偉大さは変わらないのですから。
むしろ、どんなに今までの実績が大きくても、言動に問題があったとみなされると、全てが否定されてしまうような現在の方が恐ろしいかもしれません。
しかも、残した作品も時代とともに変化するものです。実際、特に第九はじめとする管弦楽曲ですが、現在の私達がよく耳にするオーケストラのスタイルが確立されたのは19世紀末頃なので、ベートーヴェンが存命中に奏でられた管弦楽曲は小規模であっさりしたものだったと言えます。
『シンドラーのリソウ』(笑)
『ベートーヴェン捏造』観てきました。
よく、こんな発想の物語ができたナーと思ったら、ちゃんとノンフィクションの原作があったんですね……、納得。原作がまず、すごい。
そして、この原作を日本人キャストの映画に、よく創りあげたなぁ。さすが。
とても楽しめた。
劇伴で挿入されるクラッシック音楽も良かった。
(“イノッチ‘’や、遠藤憲一さん、坪倉さん、野間口さんなどなど……)音楽家に扮した俳優さん達が登場するたびに、“クスッ”と笑いがこぼれる連続だった。
‘’ギャグ路線の映画‘’かな、と、勝手に思っていたけれど…
「現実なんてどうだっていい。理想こそが真実だ!」と、シンドラーが叫ぶ。
話が進むにつれて、
「これって…、良質の“ミステリ”映画なんでしょ…!」と、思いを改めました。
『「真実」は人の数だけあるんです(「事実」はひとつ)』という(「ミステリと言う勿れ」の久能整君の言葉を思い出した。
“深い”映画でした。観てよかったです。
お話は面白かったのだけど
キャストも豪華、皆さんそれぞれ役の雰囲気にマッチしていてストーリーも面白いのだけど。なにか物足りない。独白に近い形で映画が進んでいくからかもしれない。バカリズム作品の面白さは、セリフの妙、会話の自然なリズムと絶妙な間と無意識のテンポが創り出す面白い空気感がポイント、とスクリーンを見ながらも考えた。独白の後ろでちょっと面白そうなやり取りがあるみたいだけど、あくまでシンドラーの説明がメインとされているので、面白さがなかなか広がらない。俳優同士の相乗効果で盛り上がる、のような感じが残念ながらない。まあ、シンドラーの思いや動機については本人ご説明するしかないのかもしれないが。ちょっと残念な感じがした。
染谷将太の怒り爆発の演技が凄かった。独白説明みたいなものがメインの進行にあって、このシーンだけ、互いに対峙する様子がしっかり描かれているので、感情の爆発が普通に引き立っていたように見えた。
普通にドラマと会話で紡いで行ったほうが面白かったのでは…と考えてしまった、ちょっと残念。
バカリさん好きならね
ギャグにしないほうがよかったのでは?
脚色された偉人伝?
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