ベートーヴェン捏造のレビュー・感想・評価
全221件中、181~200件目を表示
「信頼出来ない語り手」の映画を続けて観てしまいました。
映画の中の世界は現実世界とは別の世界で虚構。映画のリアリティとは現実に見えるかではなくて、映画の中で表された世界感のなかで一貫性があって自然に感じられること。極論を言えばドキュメンタリー以外はみんなマルチバース映画と言える。
劇中、日本人音楽教師が語る19世紀ヨーロッパの出来事が描かれていて、日本人俳優がヨーロッパ人を演じている。目の前の虚構世界に入り込めるか観客が試される。
コメディ色が思ってたより低くて、テーマはシリアス。新解釈シリーズっぽいのかなと思って観たら、歴史ミステリーでした。そして「信頼のおけない語り手」の話にまで。そこは原作小説の色なのだろうと想像。
ベートーヴェンを聴きながら毒を浴びる
バカリズムの毒が散りばめられていて面白い。
シンドラーが秘書として関わった晩年のベートーヴェン。小汚くてわがままなオヤジは、子供向け伝記で知った苦悩するベートーヴェン像とはかけ離れている。
大人になってみると、世の中に出回っている伝記の類は、脚色が当たり前だと知ることになる。だけれども、読み物として面白くない伝記は手に取りたくない。そこに伝記作家の筆が発揮されることになり、良きにしろ悪きにしろ、物語として読者を惹きつける方向に仕上がる。
こういった伝記の宿命は、バカリズムは百も承知。「シンドラーがベートーヴェン像を捏造することは普通じゃね」というスタンスで、周りの人間もバカリズムフィルターでカリカチュアしまくる。
日本の俳優が演じることによって、より人物像が捉えやすくなっているし、交友関係も頭で理解しやすい。
ベートーヴェンの素晴らしき音楽を聴きながら、毒を浴びるのも乙でございます。
キャスティングは面白そうな役者さんばかりでしたが バカリズムの面白...
キャスティングは面白そうな役者さんばかりでしたが
バカリズムの面白さが感じられなかった。
設定の面白さや会話の面白さなど
バカリズムらしいさがあまり感じられなく
普通のストーリーになっていたので
退屈に感じてしまった。
バカリズムの脚本のドラマは
いつも楽しませて貰ってるので期待していたが
全体的に暗くてウトウトしてしまった。
理想、幻想、妄想…真実?
ベートーヴェンの死後、著者でベートーヴェンに纏わる嘘を書いた元秘書のシンドラーの話。
音楽室に忘れ物をして取りに行った生徒と音楽室でピアノを弾いていた先生が、ベートーヴェン談儀をしている体で、1822年にベートーヴェンの大ファンだったシンドラーが、秘書になる様子からみせていく。
タイトルは確かにその通りだし、特報ではガッツリコメディみたいな印象だったけれど、シンドラーとベートーヴェンの関係性や、著者ベートーヴェン伝を書くに至る過程、そしてその後の話しを案外マジメに見せてくれる感じ。
かといって堅苦しかったり暗ったるかったりもなくちゃんとおふざけは忘れずコミカルだし。
この辺の話しに詳しい人には異論があったり物足りなかったりはあるのかも知れないけれど、ほぼ知らない自分にはとても面白かった。
求めるのは真実か事実か
ルートヴィヒ・ファン・ベートーヴェン
(1770-1827)
ドイツの歴史上代表する作曲家
古典派からロマン派を発展させた
先駆者で影響を受けた作曲家は
数知れずの「楽聖」
その生い立ちは
テノール歌手ながら酒浸りの
父親によってスパルタ的に
音楽を仕込まれ10歳を前に
演奏会にも出演
ウィーンで会ったモーツァルト
をも「なんだこんなもんか」
と思ったほど
しかし20代後半には難聴を
患い自〇未遂もしながらも
音楽の情熱から活動を続けた
というベートヴェン
原作小説をベースに
いかに素晴らしかったかという
視点で伝記を執筆した元秘書
アントン・フェリックス・シンドラー
を主人公に彼が行った捏造改竄工作
どう行われたのか
何故行ったのかに迫った今作
どうだったか
まあいわゆる
以前観た「陰陽師0」でも出てきたが
実際に起こったことが「事実」
その人が信じているのが「真実」
というやつである
世間が英雄視している人物を
側近だった人物は果たして
家政婦に当たったり
息子カールを追い込んで自殺未遂
に追い込んだりした「事実」を
並べたらベートーヴェンの
名誉はどうなるか
皆が「真実」として信じたい
形に守り通すのが側近の
私の役目だとシンドラーは
「信者」としてスイッチが
入っちゃったのである
そりゃあ偉人研究というジャンル
がある以上ありもしなかった
事を並べてしまう捏造改竄は
もちろんいい事ではない
が「わからんでもない」
という気持ちにさせられる
そこには信者っぷりがウザすぎて
ベートーヴェンにクビになり
ホルツに秘書の座を奪われた
嫉妬などもあったと思うし
ホルツらはあいつの伝記は
デタラメだと新聞で批判の応酬
を繰り広げる中で
あっちが先に死んだらこっちの
勝ちみたいな変な勝負意識が
生まれてきたりする部分は
なんともリアル
(政治の話だって利害関係に
ある人間が死なないと
真相は出てこないとよく
言われます)
自分もしょっちゅう
Wikipedia鵜呑みにして
痛い目にあっております
結局ベートーヴェンの名誉を
護りたいシンドラーと違い
ホルツやシンドラーは
事実ベースで追いかけている
だけだから永遠に反りが
合わなくて当然なのである
マスコミが取材した事
(最近は取材すらしてるかどうか)
に自分らの論調に合うように
偏向報道するのと同じである
部分は現代と何も変わりがない
事実はよほどSNSの一般人の
投稿などで転がっている
それが都合が悪いから
マスコミは必死にSNSを
嘘だらけだと叩く
自分らが信用度を落として
コソコソSNSでネタ拾うのも
全然協力してもらえなくなった
からである
昨今の情報化社会
皆事実を知りたくなっている
風潮からは
シンドラーの感覚は理解されない
かもしれないが当時がどうだったか
というところ
ただちょっとくどくど長く
画面が飽きやすいかなと思う
ところもある
日本人キャスティングでやってる
とことか画面的には非常に
「舞台」っぽくなっているが
山田裕貴や染谷将太らの演技力も
あってそこはあまり気にならない
中学校の音楽室パートも
最初は面白い構成に感じたが
中学生が急に頭がよくなった
感じで不自然に感じるとこも
あった
ならシンドラーとあの音楽の先生で
いっそ転生的に話し合ってしまう
ファンタジー演出でも?
と少し感じたところ
でも悪くはなかったです
最後にこれだけは言いたいのは
ネットもなんもない19世紀の
偉人を称えるメンタルと
何でも調べれば真偽はどうあれ
誰でも手元に入る現代を
同じ目線で見るのは大間違いだと
いうことです
ドラマが薄かったのが惜しい
原作本は、読みやすさを意識して文体を崩しすぎ、かえって読みにくく、ノンフィクションなどとは言えない代物だった。それに対してバカリズム脚本は、逆に大人しく、全体として大変落ち着いて、啓蒙的ですらあって、ベートーヴェンに詳しい人たちにも許せるレベルに仕上がっていたと思う。映画の作りも極めてオーソドックスで、全体的に誠実な作りだった。それは、シンドラーの捏造をテーマにした以上、ベートーヴェンをさらに捏造するわけにはいかないという歯止めがかかってしまったせいなのかと感じた。日本人役者の違和感を薄めるためか、音楽室の対話という額縁が用意されたが、それ自体は悪く無かったし、その直前に古田新太の校長を出すなど、絶妙なくすぐりも生きていた。ただ、あまりに冒険がなく、音楽教師がなぜシンドラーの話をしたのか、聞いた生徒に何が残ったのか、最後の生徒のセリフも直前の伏線回収でしかなく、消極的というしかない。バカリズムの萎縮が見て取れた。
そして肝心のベートーヴェンとシンドラーのやり取りも、ドラマとしては薄く、出来事としては分かりやすかったが、生身の人間として伝わるものは希薄だった。これは仕方のないことだが、会話帳を介しての会話なので、テンポが遅くなり、その分ドラマも緩くなる。そこは、作り手にもジレンマがあったのかもしれない。演技レベルは凸凹があり、個人的には小澤征悦が良く、最も違和感なく世界観にはまっていた。古田新太の第九の指揮も、音楽家の指揮にちゃんと見えて感心した。山田裕貴も誠実な演技だった。しかし、このエピソードを最大限映像化しようとした時に、山田裕貴かなあ?とは思う。シンドラーの肖像画を見ると、相当強烈なキャラだったろうと、暴挙も含めて思うからだ。ナレーションのセリフではなく、会話と絵で更に伝えられるものが多かったはずで、極めて淡白、そこは惜しくもどかしかった。全体的に題材に対する作り手側のリソース不足が感じられた映画だった。
歴史には「真実」よりも「ストーリー」の方が大切なのかもしれない
演劇とは違って、映画の中で、日本人が西洋人を演じるとなると、違和感ばかりが先に立って、内容が頭に入ってこないことが多い。
その点、この映画では、日本の中学校で、音楽教師が生徒にベートーヴェンのことを話して聞かせるという体裁を取っているので、そうした違和感がほとんどなく、「この手があったか!」と膝を叩いてしまった。
内容的には、だらしなくて癇癪持ちのベートーヴェンと、融通が利かなくて空気の読めないシンドラーの交流が笑いを誘う序盤、ベートーヴェンの人生を巡って、伝記を捏造するシンドラーと、真実の姿を伝えようとする勢力との闘いが面白い中盤、シンドラーによる捏造を見破ったセイヤーが、シンドラーと対峙するというスリリングな展開に引き込まれる終盤と、三部構成のそれぞれに異なる味わいがあって楽しめる。
ここで、何と言っても異彩を放つのは、ベートーヴェンの伝記を捏造することが、世の中のためになると信じて疑わないシンドラーのキャラクターで、そこに浮かび上がるのは、罪悪感など微塵も持たず、自分は正しいことをしているのだという強い信念と、狂信者のような使命感と陶酔によって支配された人物像である。彼にとっては、何が「真実」なのかということよりも、素晴らしい音楽を作り出した人物は、素晴らしい人格者でなければならないという「ストーリー」こそが重要なのであり、確かに、歴史は、こうした人々によって作り出されてきたのかもしれないと思えるような説得力を感じることができた。
さらに、この映画で面白いのは、ラストの、セイヤーに関する音楽教師と生徒とのやり取りを通じて、教師が、シンドラーによる捏造を批判するどころか、それを支持していると思わせるところだろう。そこには、全ての「真実」を暴露することは、果たして「世の中の利」になるのだろうかという問いかけや、「真実」こそが「正義」だとするSNS社会に対する疑問といった、強いメッセージ性を感じ取ることができるのである。
その一方で、冒頭の「伏線」の部分等を使って、中学校のどの教師が、ベートーヴェンの物語の誰を演じているのかを、もっと分かりやすく説明してもらいたかったし、どこか憎めないキャラクターの古田新太が演じたせいか、ベートーヴェンが、それほど酷い人格の持ち主に見えなかったところにも、少なからず物足りなさを感じてしまった。
特に、ベートーヴェンの音楽家としての実像がよく分からなかったのは残念で、例えば、偉大な芸術家ゆえの傲慢さとか尊大さのようなものや、同時代の音楽家達への対抗心や嫉妬心のようなものが描かれていたならば、より生々しくて人間臭いベートーヴェン像を作り出せたのではないかと思えるのである。
ただし、実際に、そうしたことがなかったのであれば、それこそ捏造になってしまうのだが・・・
まさしく「憧れは理解から最も遠い感情だよ」が当てはまる
偏屈で暴力的で癇癪持ちで息子を束縛し監視するベートーヴェンを支えられるのは自分しかいないと思い込み迷惑な偏愛や理想を押し付ける秘書シンドラーの話。メンヘラとDV彼氏の組み合わせに似たものを感じた。
見たいものしか見ないシンドラーの姿や、自分の想像をあたかも真実かのように話す音楽教師の姿は良い教訓になったかも。
個人的に好きなのは、序盤のまだ拗れていない頃のシンドラーが大ファンで憧れのベートーヴェンに初めて会った時、心の中で言った感想が「小さくて小太り」とか「不潔」、「握手した時の手がぬるっとしてた」ってすごいリアルだったところ。理想と現実のギャップを見ても憧れは消えず、それどころか偏愛に変わったりベートーヴェンとの相性最高だと思ってたのはシンドラーだけだったりと、タイトルの名言がぴったりだと思った。
生徒と教師が話すシーンと、偉人の歴史を解き明かすシーンが交互にくる展開に似たものは歴史系のテレビ番組でよく見るし、もしかしたら映画館で観るほどのものではないかもしれない。
退屈
⭐︎3.3 / 5.0
9月12日(金) @映画館
ベートーヴェン捏造
---
ひたすら喋るだけの起伏の無さ+心地良いクラシックで終始睡魔に襲われる😪なんて批評は「利にならない」から止めておこうw
---
#movie 🎬2025
#備忘録
#ベートーヴェン捏造
#映画
#映画鑑賞
#映画レビュー
#映画好き
#映画好きと繋がりたい
#映画好きな人と繋がりたい
後半のミステリー調に変わっていくのは面白かった!!
きっかけ
バカリズム脚本ということで観に行く事に。
ベートーベンの知識はほとんどなし。
当方、原案となった「かげはら史帆さん」の「ベートーベン捏造」は読まずに観賞させてもらいました。
あらすじ
とある中学校の生徒が音楽室に筆箱を忘れた事でこの映画は始まる。
筆箱を取りに音楽室へ行くのだかそこには先生が…
先生はピアノを弾いている。第九だ。そしておもむろに話す。「ベートーベンを知っているか」っと。
ベートーベンには、秘書が歴代何人かおり、その中でも特に強烈、いや狂人的なキャラであるシンドラーの半生について先生は話し出す。
そして、先生の話は回想シーンになり映画のストーリーは進んでいく。
果たして、シンドラーの半生とは?どーいった思いでシンドラーは狂人となっていったのか?っといったところでストーリーが展開していく。
感想
バカリズムは日常の中にある異常、もしくは、異常な話の中に普通を混ぜ混むスタイルのコントが多く、HuluでやってたOLのドラマも観て、面白いな~と思ったので絶対観ようと思い観ました。
面白いなと思った事は回想シーンの舞台はウィーンやベルリンといったオーストリアとドイツなのに、海外の人やアニメーションを一切使わず全員日本人の役者でやっていた事。そして、それが違和感ではないこと。
また、脚本も現代日本の日常のようなテイストで物語が進んでいくので、ベートーベン、シンドラー、ホルツ(シンドラーのライバル。ベートーベンの晩年の秘書)、そしてセイヤー(シンドラーの虚言を暴こうとする人)の心境やシンドラーとの関係性が理解しやすく描かれており話が理解しやすかった。
冒頭でもお伝えしたが後半で出てくるセイヤーのパートは、これまでシンドラー目線で半生を描いていたのに、ミステリータイムに突入する。そして、闇が暴かれるのかどうなのか?そしてこの映画のストーリーの肝に繋がっていくのだが、ミステリーパートから肝部分への切換がスムーズにストーリー進行していて気持ち良かったし、おもしろかった。
さすがバカリズム!!
ただ、これって映画館で観る必要あるかな??って感じた。
オーケストラの演奏も序盤の方にベートーベンが指揮をするのだが、そこくらいなもので、後はシンドラーの半生を淡々と描いてる感じ。
疲れてたのもあって正直ちょっと寝た。
まとめ
僕的には主人公が19世紀ウィーンにタイムスリップして、そこから話が展開していくもんだと勝手にフライヤーを、観て想像してしまった事もあり、なんかハチャメチャ感が足りなく感じた。
また、感想でも言ったがオーケストラの演奏や臨場感溢れる演出などかないせいか、映画館で観る映画ではないと感じたしたし退屈になってしまった。
この作品、バカリズムや堀監督を好きな方にはキツい言い方をしてしまい申し訳ないが僕にはあわなかった。
最後にこの映画はベートーベン好きは勿論、ベートーベン論争を知ってる方、クラシック歴史に博識な方、原作のベートーベン捏造の本を読んでいる方にはこの映画が面白いと思うと感じた。
頭のいい子(ガキ)は嫌いだよ
バカリズム作品
原作がついているので、純粋に「バカリズム作品」とは言えないのでしょうけれど、良くも悪くも「バカリズム」さんっぽいかなぁって、思いました。
バカリズムさんの作品は、結構支持する人もいて面白いと評判なのですが、全般的に自分はそれほど面白いと思えなくて、この作品も古田新太さんが出るということで見に行きました。見ていて、古田新太さんが「自分」っぽさ(世間の古田新太イメージ)を守って演じている感じがして、そこも面白みに欠けた感じでした。
ラストでは、「それって先生の想像ですよね」って身もふたもないことを言わせちゃったのは、いかにもバカリズムさんっぽいかなぁとは思いました。
とくに、ベートーヴェンを深堀したとか音楽の歴史を茶化して見せたわけでもなく、普通に始まり普通に終わった感じでした。
ただ、始めが「音楽室で先生と生徒がコーヒーを飲む間のお話し」になっているのですが、そこには無理があるなぁって感じました
全221件中、181~200件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。