おーい、応為のレビュー・感想・評価
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意外に少ない浮世絵成分に拍子抜け
浮世絵関連の映画と言えば、2年程に内野聖陽主演の「春画先生」と、春画を取り巻く現況を伝えたドキュメンタリーの「春の画 SHUNGA」が立て続けに公開されましたが、本作は稀代の浮世絵師・葛飾北斎の娘の応為を主人公として、長澤まさみが応為を演じる時代劇でした。
本作では、実際男勝りだったらしい応為の性格を強調していましたが、何せ長澤まさみが演じているので、ツンツルテンの着物を着ていても、かえって色気と美しさが勝ってしまうところが微妙と言えば微妙。また、”浮世絵師”の物語ではあるものの、”浮世絵”に触れる部分が案外と少なく、浮世絵好きの私としては、その点もちょっと欲求不満でした。”浮世絵”そのものに触れる部分が少なかったのは、「春画先生」の後半部でも同様でしたが、本作は全編に渡って”浮世絵”に触れる下りが少なかったのは、応為を演ずる長澤まさみにスポットを当てる作品だったからなのでしょうかね?
ただ人間・応為の物語だったとしても、彼女が何故父に倣って浮世絵師の道に進んだのかといったことや、彼女の浮世絵に対する心情とか姿勢などについてもあまり取り上げられていなかったので、人間・応為の輪郭がガラッパチであるとしか解せなかったのは残念ではありました。
あと、これはかなり些末なことですが、年代を紹介するテロップが西暦のみだったのも、ちょっと気になるところでした。せめて和暦を併記して貰った方が、もう少し時代劇的な雰囲気を醸し出せたのではないかと思うところでした。
応為の描き方や浮世絵成分の低さに不満の残る本作でしたが、俳優陣は中々でした。特に北斎を演じた永瀬正敏は、年を経るごとにそれらしくなっていき、自ら”画狂老人卍”と号した風格を漂わせていました。北斎の妻にして応為の母であることを演じた寺島しのぶも、時代劇が板についており、ピッタリの配役だったと思います。美人画、春画で名をはせた渓斎英泉役の髙橋海人も、必殺仕事人的な雰囲気ではありましたが、作風に見合ったキャラクター設定で、これはこれで合っていたように思えました。
肝心の応為役の長澤まさみについては、先にも述べたように美しすぎでした。それはそれで眼福にはなるものの、応為という人物を本当に伝えられているのか、イマイチしっくり来なかったのが、良きにつけ悪しきにつけ本作の特長だったと言えるのではと感じました。
そんな訳で、本作の評価は★3.4とします。
まあ 期待しなければ 得るものは大きい ただこういう作品は観客ハイレベルだから
長澤まさみ作品で そこで観客動員力のアクセント的なポイントは相違ない
安心感がある。これは大事。永瀬正敏さんはじめ安定。
でも 俺が 感心したのは
① 江戸時代 庶民 闇 電気のない時代の 質感 たぶん照明の人とかの勝利
②その質感が ルノワールの❓絵のように ザラついた質感で いい感じだ 昭和の技術では出せない
③有料パンフ🈶にも載ってるが 主人公 葛飾応為の 絵🖼️の近代絵画的な開明感が素晴らしい
そして
『えっ 😵💫 コレから たったの@200年しか経過してないの❗️』という分かり切った事実を
体感した。
ストーリー自体は ぶつ切り感 が あり 個人的
だけど 時代劇ではないので それが『江戸時代の人の人生だよなぁ』と思わせる
監督脚本は兼任だけども 原作は 古い方と 比較的最近の杉浦さん
で W原作 エエトコ取り と思うから 結構 説得力のある 個々のエピソード
ぶつ切りだけども 濃厚に抽出されている と個人的に感じた。
江戸の長屋 足の踏み場すら無い 今で言えばゴミ屋敷がリアル
コレ 現代が舞台の映画でも ただゴミ袋だけで小綺麗な場合が多いから 小汚さが良かった。
有料パンフ🈶は 主人公の 主要な 残されてる絵画🖼️ &北斎年表あり
俺みたいな 小さな文系事務職は すぐ根拠 エビデンス求める悪い癖あるから
それに応える有能パンフでしたよ。
でも 『歴史は勉強じゃ無い 体感だ❗️』と 葛飾北斎氏 1760〜1849の人生最後半作品
主人公 応為 さんは 映画字幕にもあるように 特定できない ミステリアス人物。
観客 全員精鋭だよ 咳一つ無し そこは チェ・ソーマンとは違うね(チェ・ソーマンはそれはそれで良い👍)
音楽が良い
長澤まさみさんの
ちんまりしちゃたね
硬軟隔たりなく 自由闊達に役をこなし 演者として魅力ある長澤まさみ主演。
国宝で短い出番ながら 強い印象を残し 近年円熟味を増してきた永瀬正敏助演。
とあらば 観ねばなるまい。いな拝観させていただきます。
勢い込んだものの なんか違う
お栄 北斎両者の生き方、才能は 常人の範疇をはるかに超えているはずなのに 画面からそれがあふれてこない。
登場人物が会話する場面は 必ずふたりきり
複数人いたとしても なんか存在感なし。
津軽屋敷に乗り込んだ時や町中をお栄がさまよう場面などに 変なちんまり観が如実にあふれてくるのだ。これはいったい どうしたことだ。
同じ原作を扱った原恵一監督アニメの方が キャラクターがもっと活き活きしていたようにおもう
この上ない配役でのぞんでいるだけに もったいない。
父娘関係
食べて寝て、画く、生きた先にあるもののお話
ある物語のように劇的に何が起こって解決して良かったねでもなく、恋心も描かれてはいるけれどそれがドキドキキュンキュンするものでもなく、北斎と応為がすごかったと言うお話でもないく、父と娘が生きたお話。
観る人が何を求めてるかで満足度は違うかもしれない。
私には生きることに固執してないようで固執した、不器用な2人の物語に感じた。それが火や水、生活の音、虫の声や季節の移り変わりによってさらに鮮明鮮烈に感じさせて、受け取りかたによっては重くなりがちなお話を髙橋海人が演じる善次郎や映画の音楽が観る人との間を繋いでくれている感じがした。
わっとしたりわかりやすい盛り上がりがあるわけではないけれど、静かに涙が出てきて観終わったあと思い返してみると2人が愛おしく感じるお話だった。
音楽が心地よかったです
全てが中途半端?
最後まで楽しめた
85点/☆3.5
難しい。今作の感想はとにかく難しい。
葛飾北斎の娘・葛飾応為(お栄)の半生を描いたこの映画。
江戸中期の浮世絵界を舞台に、天才絵師の父娘が織りなす師弟関係と女性の覚悟を追う。
期待を胸に劇場へ足を運んだが、ハッキリ申し上げれば、面白くなかった。
是か非かで言えば、圧倒的に「非」が勝り、せっかくの「是」さえもったいなく霞んでしまった。
こういった作品だとレビューをわざわざ読む人も少ないだろう。
それでも、数少ない「面白かった」と感じて訪れた人に「つまらなかった」と突きつけるのも、レビュアーとしてどうかと思う。だからこそ、書きづらい。難しい。
物語は、夫と離縁したお栄が父・北斎のもとに戻り、再び絵師としての道を歩み出す姿を描く。
本来であれば「父の名声に隠れた娘の才能と苦闘」が主軸になるはず。だが蓋を開けてみると、印象はほとんど北斎の伝記映画。娘の視点で描かれているようで、結局は父の老年期の哀愁と豪快さが主役を食ってしまう。
夫との離縁以降に焦点を置いた構成のため、父娘の関係性の原点がぼやけ、師弟関係への移行も弱い。
また、応為や北斎の事前知識がなければ理解が追いつかない展開も多い。
キンプリの髙橋海人をキャスティングしたことで若い観客を呼び込んだのは確かだが、その層に向けた導入や説明がほとんどなく、作品としての「親切さ」に欠けていた。結果、観客は置き去りにされてしまう。
どうしても看過できないのが音楽。
全編に散りばめられたトランペットの旋律が、作品世界を著しく損ねている。
「なぜトランペットなのか?」
江戸の情緒と噛み合わず、映像との齟齬に鳥肌が立つほど。
冒頭とエンディングで同じメロディーが繰り返されるのも、作品全体を軽く見せてしまった。
それでも救いはある。キャスト陣の演技。
長澤まさみの応為は、成熟した女性の色気と覚悟を見事に両立している。
「兄妹としてしか見られない」とフラれた後、女を捨て絵師として生きる決意を固めるシーン。
着物の着こなし、かんざしを捨て去る覚悟、髪型の変化。
細部の演出で、応為の内面的変化を静かに、しかし鮮やかに映し出していた。
そして何より、真のMVPは永瀬正敏。
老年期の北斎を、繊細さ・豪快さ・哀しみのすべてで体現した。画面に立つだけで空気を変える存在感。今年の映画賞で彼の名を聞く日も遠くないだろう。
そして、終盤の父娘のシーン。
死を悟り、娘を気遣い自由に生きろという北斎の言葉に、お栄は激高する。
娘であり弟子でもある。その複雑な関係性がぶつかり合う。
父への尊敬も、絵師としての誇りも、同じ熱で燃えている。
弟子であり娘であるからこそ、彼女は言う。
『嫌なら、最初からここにはいない』
その一言に、すべてが込められている。
85点/☆3.5
哀しい。映画を酷評するために観に行くわけじゃないし、そんなレビューを書くためにサイトを訪れているわけでもない。
ただ、この胸の奥底から湧き上がる虚しさを、文字に昇華しないと気が済まない。
応為の人生は、本来もっと輝くはずの物語。知れば知るほど、応為の情熱と自由奔放さが現代に響くのに、この映画はそれを十分に引き出せなかった。
せめて演技の余韻だけは心に残るだろう。
2018年にNHKで放送された
『眩(くらら)〜北斎の娘〜』(宮崎あおい・長塚京三主演)の方が応為という人物の魅力と苦悩を、より丁寧に描けていたと思う。
女性の立場、絵師として生きる日常、描くことを魅力的に表現した演出、絵師とは何かの本質に最も近づいた映像化だったと思う。
ここに、その記憶を記しておきたい。
こんなレビューは、もういらん。
北斎の娘として良くも悪くも作用。
葛飾北斎の娘に焦点を当てた作品を
楽しみに待っていました。
皆様の熱量ある演技に感動。
劇伴も素晴らしくて聴き入りました。
絵師としての葛藤や満たされない心、
死への恐怖に深く共感。
そして、不器用な親子関係の中にある確かな繋がり。
絵の一枚一枚に魂が込められていて
構図、色彩、色の濃淡など息を呑む美しさ。
寺島しのぶさん演じる応為の母親・ことが
「女は、赤いものを身に付けると
やさしくなれるんだよ」いう言葉が印象的。
この“女らしさ”を自分の容姿にではなく
絵の中で表現していた応為。
『吉原格子先之図』がもう恋しくなっています。
彼女の巧みな技量と謎に包まれた生涯に魅了されました。
できればもう少し絵にもスポットを当ててほしかった。
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