おーい、応為のレビュー・感想・評価
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正直、つかみは最悪だったが・・
独特のカメラアングルを持つ映画。当初描きたいものが何なのか良く伝わって来なかったが次第に引き込まれていく。かなり雑な言い方をしたら時代を超えた🎦PERFECT DAYSのような作品であった。見終わった後にこの作品に対する好意的な感覚が果たして北斎と応為という親娘の絵師をモチーフにしたものである事への親近感なのか、この映画作品本来の持つ独特の魅力なのか今一つはっきりしない。長澤まさみ演ずる応為は良く描けているが、北斎役の永瀬正敏の存在感と微妙な立ち位置で、あと少しで食われそうでもあった。応為を描いた作品には杉浦日向子原作の📖百日紅のアニメ化作品があり、その色彩の豊かさと比べると少し見劣りするものの陰影のつけ方が本来の応為ん作品へのオマージュとなっていると考えるとうなづける一面もある。総じて満足のいける秀作と言えよう。
この親子であってほしいと思った。
悪くはないのだが、色々と物足りない
北斎とお栄の生活を時系列で淡々と描いているため、起承転結はないし、見せ場らしきものもない。
演者が巧みなのでそれなりに見ていられるし、クスリとするシーンも多く、退屈はしない。
また、終盤に描かれるお栄の絵は中々に表現が面白く、それを見ているだけでも楽しかった。
結果的に見てよかったな、と思ってシネコンを後にはしたが、大満足というほどでもなく、すごく好きというわけでもない。
長澤まさみさんのキップのいい女性演技は既視感があるし、途中の恋愛エピソードも尻切れ。お栄自身も北斎死後の記録がないようで、そのまま終わってしまう。
途中に入る年号のテロップや、ところどころで説明的なセリフも多く、そこまでストイックな作品を目指してないのなら、もう少し「エンタメ」しても、よかったのでは?
ずっと単調で退屈だった‥
ほとんど知識は無く、あの有名な絵を知ってるくらいでしたがこの映画を...
思っていたのと違った。だがまあこれはこれで善し(文末にクラウドファンディングのお願いがあります)
浅学につき、応為については通り一辺の事しか知らなかった。作品も代表作を数点のみ。だが、というか、だからこそ興味を覚えた。
軽やかなタイトルと、引っ越しを繰り返した破天荒な父親と創作人生を共にした、父親に比肩する才能を持った娘というイメージで、さぞや破天荒な物語か?はたまた、近世において女性が親兄弟や夫の庇護下にあれば作品を称賛されるが、ひとたび独り立ちしようものなら完全に門戸を閉められ苦労するのは洋の東西を問わない訳で、そういう苦労や屈折の、こちらが知らないエピソードが観られるのか?
と、期待して臨んだがどちらもなかった。深読みすれば無い訳じゃ無いけど控えめというか力点はそこじゃない感。
物語に大きなうねりはなく、ただ淡々と丁寧に話が積み上げられて行く。
こう書くととても静かなイメージになるが、実際には応為の(長澤まさみの)内に渦巻くエネルギーが常に画面を支配していたし、結構強い会話も多かった。
まあこういうのも嫌いじゃない。
時折、ハッとするような美しい画面が差し込まれ、絵師父娘の映画として面目躍如たると感じた。
細かい所を言えば、いきなり西暦をぶっ込んで来た時は一瞬白けた(せめて和暦年号カッコ西暦でしょ)し、北斎の見事な老け方に対して応為の汚しが少な過ぎて、『え?応為、今何歳?』と、余計な事を考えてしまった。(いつも思うのだが、何で日本映画は女優さんを老けさせないんだろうか?ノイズでしかないのに)
概ね満足したけど、人には(元から興味が有るか否かで) 簡単には勧めにくい かなぁという感想でした。
追記・千葉県の柏駅ビルに隣接した映画館、キネマ旬報シアターが、施設老朽化の為、設備修復や映写機器の新調の為のクラウドファンディングを募っています。11/2までと、日にちもありませんが、関心を持たれた方宜しくお願いします。(当方スタッフとか関係者ではありません)
補遺・クラファンの期間が延長され、支援枠とリターンの種類も増えました。ご興味を覚えた方、是非キネマ旬報シアターHPか、クラファンサイトシネファからご確認ください。
長澤まさみの演技と人生を楽しむ映画
劇場は結構入っていたが、ほとんど60代超え
内容的に仕方ないのかな
冒頭から長澤まさみが、男口調でがなりたてるのをずっと聞いて、あれ?葛飾応為って女性なのか?と遅ればせながらに気づく
永瀬正敏演じる北斎が、また良いし、終盤まで二人で演技対決しているだけだなぁと思って見ていたくらい話に盛り上がりも盛り下がりもない
そして音楽が何故かポップ
最初は孤独のグルメかと思ったくらい
ただただ葛飾応為が北斎とどう生活していたかというシーンを延々と観るだけなので、何を伝えたかったのかな?(恐らく北斎とともに絵を描くことに命をかけたというのをシンプルにみせたかった?)
無駄に3人の俳優(大谷亮平、奥野瑛太、髙橋海人)を使っている。この3人はマジでもったいない
寺島しのぶは奥さんだからいいとして、その息子の話も何なんだろう?と思う
引越しのシーンもなぁ、もちろん北斎がめちゃくちゃ引越ししたのは知ってるけど
何も無い読後感
永瀬正敏と長澤まさみの演技対決と人生を横目で見る映画でした
言葉を交わさなくても成り立つ関係
2025年。大森立嗣監督。葛飾北斎の娘・おえん(応為)は離婚して晩年の北斎と二人暮らしをするようになる。人並みの恋、絵師としての仕事、家族への想い、そして偉大な父との微妙な距離などを交えながら、二十年以上にわたる二人の生活を描く。
離縁から始まる最初の数分、歩く応為を真正面から手持ちカメラが後退しながら撮るシーンが続くのだが、ここではカメラはぶれずに歩く姿をくっきり写すほういいんじゃないかと思ってしまったら、そこから真ん中くらいまでの展開がいかにも停滞しているような、動きが鈍いような印象でどうにも入り込めなかった。ところが、スマホもテレビもない時代の対人関係はこのように動きが少なく退屈で鈍いものだという気づきがあり(人物がゆっくりお茶を飲むシーンで気づかされる)、そこからはむしろ動きのない人間同士が一緒にいるシーンの長さが心地よくなってきた。特に、北斎が背を丸めて絵を描き、応為がだらけて横たわってキセルを吸う、という引っ越すたびに繰り返されるシーン。無理に言葉を交わさなくても成り立っている二人の関係。
ロケ場所もすばらしい。北斎の娘で応為の妹は病気で目が見えず、母と一緒に田舎に暮らしているのだが、その家を訪れる道中、横移動して歩く人物の後ろにうっそうと茂る高い木々が揺れている。応為がこの道を走るとき、人物は小さく、木々は圧倒的なボリュームで迫ってくる。すごい。また、富士にこだわる北斎が応為とともに訪れた富士山が見える荒廃した赤黒い岩石だらけの土地で、高齢の北斎がいまだに絵画の魅力に取りつかれて苦悩するシーンもすごい。赤富士ってこういうことだったの?
良い乳をみさせてもらいました。決して父ではありませぬ。
江戸の自由と家族愛と絵師の生き様に浸りたい人におすすめ
出演者の演技に引き込まれた
ストーリー自体は北斎と娘のお栄の行きたく様子を淡々と描いている。
歳を重ねていく2人を演じる長澤まさみさんと永瀬正敏さんがとても上手で引き込まれる。北斎の命に対する執着を見事に演じていた。
また、出番こそ多くはないが髙橋海人さん演じる善次郎がいい味を出していた。彼が出てくると場が明るくなり、北斎にいじられる様子もくすっとほっこりする。明るい彼だが色気とどこか切ない空気を纏う彼がこの映画のエッセンスになっていた。
ちょっと退屈な映画かな
この時代に男性と同じ職業に就く どんなに大変だったんだろうと思いな...
この時代に男性と同じ職業に就く
どんなに大変だったんだろうと思いながら鑑賞しました。永瀬さんの佇まいが北斎にしか見えなくて、長澤さんの応為はチャーミングで潔かった。髙橋さんの善次郎は色気と可愛さがバランス良く魅了されました。光と影の使い方も絶妙でした。
最初はミスキャストっぽいと思われた長澤まさみの起用がミソか? 歴史モノでも伝記モノでもなくアーティスト父娘の日常を淡々と描くアート映画
日本語の表現に「掃き溜めに鶴」というのがありますが、ここでの長澤まさみがまさにそれ。ゴミ屋敷と化した葛飾北斎(演: 永瀬正敏)の棲家にまさみお姉様が北斎の娘 応為に扮して降臨いたします。このまさみ版の応為さん、旧来型大和民族体形の典型から外れており脚が長くて容姿端麗、おまけに女盛りの色気むんむんときておりますので、とても19世紀の江戸の絵師には見えません。彼女は終始浮き気味の感じで、ようやく見慣れてきたなあと思った頃には老けメークが不十分で、笑えてしまうほど老けメークばっちりの北斎との乖離が大きく、またもや劇中で浮いている存在となり、こりゃあミスキャストじゃないのとつぶやきたくなります。
まあでも、長澤まさみじゃない他の地味めの女優さんを起用していたら、単なる葛飾北斎の晩年を描いた伝記映画になっていたでしょうね。この映画は葛飾北斎はもちろんのこと、その娘の葛飾応為の伝記映画でもないと思います。この作品では、時折り、画面上に年号が現れますが、これが横書きアラビア数字4桁の西暦年号で、漢数字を使って縦書きにもせず、日本の元号も入れていません。この素っ気なさにこれはステレオタイプ的な歴史モノとか伝記モノとかではないんだよという、大森立嗣監督のメッセージを感じました。
この映画は、女性の地位がまだ低かった江戸時代(そもそも葛飾応為自体が生没年不詳なのですから)に、夢を持ち、その夢をかなえた女とその幸福についての物語です。「人生は短し、されど、芸術は長し」このことを本能でわかっていた父娘の物語でもあります。応為は「好きでお前とお前の絵を選んだ」のです。どんなにだらしない日常生活を送っていようとも、ただひたすら、いい絵を描きたいのです。毎日描いてきたのに猫一匹すら描けねぇと涙を流す北斎を師と仰ぎ見て、さらに精進してゆくのです。自身の生きる目的と存在理由を見つけることができた応為はとても幸福でした。
そんな幸せな応為のアーティスト魂が淡々とした日常の描写から透けて見えてきます。まあ遠い江戸時代のお話なのでTVやスマホがあるわけでなし、交通の手段も限られてるし、のんびりした日常で劇的なことはあまり起こりません。そんな中で、さくらという犬とか髙橋海人が演じる善次郎(北斎の弟子)とかがいい味を出しています。大友良英の音楽もよかったです。音楽にもステレオタイプ的な歴史モノじゃないんだよというメッセージを感じます。そして、やっぱり、浮くからこその長澤まさみで、彼女はべらんめえ調で啖呵を切ったりもします。
小説の世界に純文学というのがありますが、この映画には「純映画」とでも呼びたくなるようなたたずまいがあるように思います。アート寄りで、映画でしかできないことを表現しているような映画。「無劇の劇」を体現しているような映画。
で、この映画ではホンモノのアートも登場するわけです。応為作の「吉原格子先乃図」よかったですね。ネット上でも彼女の作品を幾つか見てみました。ネット上で見たからかもしれませんが、何かイラスト風のタッチでした。彼女こそ、江戸時代末期に登場した元祖イラストレーターかもしれません。wiki でいろいろと調べてみたのですが、北斎の晩年の作には応為作または父娘共作のものが幾つか混じっているようです。北斎の絶筆とされていた「富士越龍図」は応為の作という説が有力だそうです。
葛飾応為が活躍した時代から二百年近くたった現在、我々はたくさんの映画を観ることができます。説明過多の映画や感動を煽ったりしてくる映画、やたら情報量の多い映画などを観たあとにこういうたたずまいの「純映画」を観ると、なんだか「箸休め」をしたみたいでちょっとほっとします。堪能させていただきました。
応為の生涯というか、北斎の半生
有名な北斎の娘の物語ですが、常に北斎に寄り添い、共に小さな長屋に暮らすことで、親娘の物語でもあり、北斎の横顔を見続ける物語
一言で言うと北斎マニア向けというか通好みな作品
彼の引っ越し好きの話だったり、小布施や富士を描きに旅に出たりなど、もともと知られている話が映像化されたという感じ
暮らし向きは決して楽ではない寒い冬に薄い着物一枚で震えるような暮らしが伝わってくるし、犬を飼って一生に寄り添って描かれたり本当に小さな世界での毎日が静かに描かれている感じです。
変わり映えのしない長屋暮らしの中で、それでも応為が筆をとり、徐々に上達していく様、彼女の炎や光と陰に惹かれ、作品に反映していく姿が言葉もなく描かれているところがすごくよかった。
私は結構興味があり、お布施のミュージアムや、お寺にある天井絵や滞在した家のあたりを見たことがあり、NHKの特集やドラマなどでもこの親娘の話を知ることがあったけど、それを深掘りにしてみているようで興味深かった。
ただし、応為のことや、北斎のことを知らない人にとっては説明不足な感じかもしれないなと、、、思います。
主演の長澤さんも、北斎役の永瀬正敏(久々に見たかも)もよかったし、キンプリの高橋くんもチャーミングで良い味を添えていたと思います。
真の芸術家
応為の父である葛飾北斎が、あんな風にあの有名な「富嶽三十六景」やら他にも何万と言う絵を描いて居たのには驚いた。描くこと以外には何も興味を持たなかったのか、きっと描きたいものは尽きる事が無かったんだろうなと思えた。そんな父を応為はどんな風に思っていたのか…例え思う所があったとしても、きっとそれ以上に北斎の才能に恋してたのではないかな。そして自分も又、北斎の様になり振り構わず好きな物を好きな様に描いて居たかったのだろうと思う。
光と影を描いた「吉原格子先之図」は、応為が描きたかった女ならではの目線を表した応為にしか描けなかったものだろうし、北斎と切磋琢磨する同士でもありたく、誰よりも生き様から北斎の全てが憧れだったのでは無いかと思う。
長澤まさみさんも永瀬正敏さんも凄かった!
才能と才能の魂を謳歌してる様に、物凄い迫力を感じた。
全230件中、41~60件目を表示





