「実在と空想の狭間」おーい、応為 きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
実在と空想の狭間
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ずっと観たかった一作
が、Uターン転職したての週から公開だったため、バタバタしていて地元では逃してしまい…
なんとか観られるシアターとタイミングを探り、本日ようやくテアトル新宿で成就!
さて感想を…
まず前提として、葛飾応為は情報量が少ないミステリアスな存在
自分が知っているのも『奔放な性格』『だが筆は精緻かつ繊細』『旦那の絵にケチつけて勘当くらう』くらいのもの
よって、フィクションとしてならある意味どんな表現もできてしまう
それだけに万人に共通する応為像を”創る“のは非常に難しいのだろうということは理解できる
だが、そのためかやや物足りなさを感じてしまった
題材として取り上げられた作品がほとんどないのなら、いっそ当作で「葛飾応為とはこういう絵師だったんだぜ!」くらい大胆に描いてほしかった
もうひとつ残念な部分として、終始色彩が鮮やかすぎたこと
そのことで身近に感じられすぎたというか…時々まるで近所にいそうな錯覚に陥った
しかし全体的には良い作品だし、配役は最高だった
特に長澤まさみさんはドはまり役で、公開が決まった時から葛飾応為=長澤まさみが即シンクロしていたのだけど、その期待に見事に応えてくれた
そして永瀬正敏さんの幅の広さ
年齢的にどうなんだろう…と感じていた不安は序盤であっという間に払拭してくれた
脇を固める篠井さんも寺島さんも、大俳優なのに月明かりの如くさりげなく照らしており、さすがの一言
とにかく観賞後の今、葛飾応為という人物の魅力にますます取り憑かれたのは確か
ただ最後はあの言葉で締めてほしかったなあ
「筆1本あれば生きていける」
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