劇場公開日 2025年10月17日

「思っていたのと違った。だがまあこれはこれで善し(文末にクラウドファンディングのお願いがあります)」おーい、応為 ギリカンさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 思っていたのと違った。だがまあこれはこれで善し(文末にクラウドファンディングのお願いがあります)

2025年10月31日
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鑑賞方法:映画館

浅学につき、応為については通り一辺の事しか知らなかった。作品も代表作を数点のみ。だが、というか、だからこそ興味を覚えた。
軽やかなタイトルと、引っ越しを繰り返した破天荒な父親と創作人生を共にした、父親に比肩する才能を持った娘というイメージで、さぞや破天荒な物語か?はたまた、近世において女性が親兄弟や夫の庇護下にあれば作品を称賛されるが、ひとたび独り立ちしようものなら完全に門戸を閉められ苦労するのは洋の東西を問わない訳で、そういう苦労や屈折の、こちらが知らないエピソードが観られるのか?
と、期待して臨んだがどちらもなかった。深読みすれば無い訳じゃ無いけど控えめというか力点はそこじゃない感。
物語に大きなうねりはなく、ただ淡々と丁寧に話が積み上げられて行く。
こう書くととても静かなイメージになるが、実際には応為の(長澤まさみの)内に渦巻くエネルギーが常に画面を支配していたし、結構強い会話も多かった。
まあこういうのも嫌いじゃない。
時折、ハッとするような美しい画面が差し込まれ、絵師父娘の映画として面目躍如たると感じた。
細かい所を言えば、いきなり西暦をぶっ込んで来た時は一瞬白けた(せめて和暦年号カッコ西暦でしょ)し、北斎の見事な老け方に対して応為の汚しが少な過ぎて、『え?応為、今何歳?』と、余計な事を考えてしまった。(いつも思うのだが、何で日本映画は女優さんを老けさせないんだろうか?ノイズでしかないのに)
概ね満足したけど、人には(元から興味が有るか否かで) 簡単には勧めにくい かなぁという感想でした。

追記・千葉県の柏駅ビルに隣接した映画館、キネマ旬報シアターが、施設老朽化の為、設備修復や映写機器の新調の為のクラウドファンディングを募っています。11/2までと、日にちもありませんが、関心を持たれた方宜しくお願いします。(当方スタッフとか関係者ではありません)

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