「究極のファザコン?現代の多くの女性には共感できまい」おーい、応為 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
究極のファザコン?現代の多くの女性には共感できまい
2025年映画館鑑賞101作品目
10月25日(土)イオンシネマ新利府
引換券付きシネマチケット1300円
監督と脚本は『ぼっちゃん』『日日是好日』『MOTHER マザー』『星の子』『湖の女たち』の大森立嗣
ロケ地
京都市右京区大本山大覚寺
京都府京丹後市五十河の里 民家苑
京丹後市大宮町延利 明田地区
1820年から1848年の江戸
葛飾北斎とその娘で弟子の応為の物語
所謂伝記物
いなせで男勝りのお栄は絵師と結婚したが夫の絵を酷評し離縁することに
父・北斎の住む長屋に出戻ったお栄は再び絵師になる
北斎から応為と命名される
しょっちゅう引っ越す北斎と共にどこまでも連れ添うお栄
イナセな応為がチャキチャキでカッコ良く痛快だ
着流しの着こなしも良い
北斎は当時としては長生き
最終的には杉田玄白みたいに誰かわからなくなるほどな特殊メイク
北斎を扱う作品にはついでに必ずと言っていいほどちょこっと登場する応為
彼女にここまでスポットライトを浴びせた映像作品はおそらくない
とはいえ北斎とセットメニューで父と娘の会話劇がメイン
再婚もせず父に尽くす姿は異様かもしれない
だが父は師匠でもあるから世間一般とは違う
現代でも結婚もせず偉大な父に尽くし看取る娘は長島三奈などなど少なからずいる
わりと娘と父とは疎遠になりがち
山城新伍の葬儀に来ない娘は特異なケースかもしれないが
尊敬しているわりには父を呼び捨てにしたり「おまえ」呼ばわりする初期の『クレヨンしんちゃん』ぶり
江戸時代の江戸では当たり前だったのかもしれない
僕は典型的なヤフコメ民と違いこういうことに関してはうるさい方でないがちょっとは気にはなった
妹だと思っていると初五郎に言われるお栄のシーンだがいくらなんでも間が長すぎる
映写機のトラブルかと思った
象さんのポットでもアレはない
オエネの篠井英介が良い味を出していた
この作品は長澤まさみに尽きる
特に泣きじゃくるシーンが良い
手の甲にたくさん溜まるくらい涙する熱演
あと柴犬の賢さぶりに感心した
ちょこんと座ってじっとしている
カワイイという評価は長澤まさみではなく犬に対する評価だ
配役
葛飾北斎の娘にして北斎の弟子の葛飾応為/お栄に長澤まさみ
浮世絵師の葛飾北斎/鉄蔵に永瀬正敏
北斎の弟子でお栄の弟弟子の渓斎英泉/善次郎に高橋海人
北斎の弟子でお栄の想い人の魚屋北渓/初五郎に大谷亮平
長屋の端唄の元吉に篠井英介
北斎に絵の依頼をする津軽藩江戸屋敷の侍に奥野瑛太
北斎の後妻のことに寺島しのぶ
目が見えないお栄の妹のはつに一華
乳房を露わにして北斎に絵を描いてもらう女に和田光沙
金魚屋に吉岡睦雄
薬屋の主人に笠久美
農婦に小林千里
長屋の女に山村嵯都子
飴売りの大道芸人に丸一菊仙
飴売りの大道芸人に上島敏昭
お栄の元夫の絵師に早坂柊人
