「仕事の極道」おーい、応為 アントニオ3世さんの映画レビュー(感想・評価)
仕事の極道
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広く知られている葛飾北斎と、まだそれほど知られていない娘、葛飾応為(お栄)の物語。
焦点は二人の日常生活に当てられている。
女優の美しさは観ている側に取って邪魔になる時がある。
美しさがストーリーやキャラクターとシンクロしていれば無敵だが、映画やドラマの多くは日常が描かれる事が多いわけで美男美女が演じている事自体無理がある。
そういった意味では主演の長澤まさみさんは、存在感と演技でその違和感をねじ伏せていると思う。
時代考証は大事だと思うけどね。でもそれが
中心になる必要はない。
前田利家の身長の様な例もあるわけで、江戸時代にモデルのようなプロポーションの女性もいたかもしれない。それがたまたまお栄だったと言う楽しみ方もある。実際はともかくとしても。
1番印象に残ったのは、お栄と盲目の妹お猶(おなお)のシーン。普段は無頼の様なお栄だが、その優しさが強く表現されている。ほんの少しだけ自分も似た経験があるので、画面が見えなくなるほど感情移入してしまった。
お栄は綺麗なものと一緒にいたかったんだろうな。
恋をしていた相手。北斎の描く絵。北斎の絵に向き合う姿。それが見える隣に居たかったんじゃないかと思う。
芸術の極道の様な葛飾北斎に永瀬正敏が嵌まっている。いや永瀬さんが嵌めているわけだが、もう少し若い頃からの北斎も見たかった。
最後にあの年号だけはいただけないなあ。
誰か進言する人いなかったの?
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