「絶品! 父娘の掛け合い」おーい、応為 泣き虫オヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
絶品! 父娘の掛け合い
長澤まさみ作品なので、迷いなく観賞。
珍しい東宝所属の長澤の東宝以外の作品。
【物語】
舞台は1800年代初めの江戸。葛飾北斎(永瀬正敏)の娘であるお栄(長澤まさみ)は父の才能を受け継ぎ、画才が有った。 ある絵師に嫁ぐも夫の絵を認めることができず、家を飛び出し、北斎のもとに戻る。
絵を描くことしか考えていない北斎は、足の踏み場も無いほど散らかった貧乏長屋の狭い部屋で暮らしていたが、お栄はそういうことは一向に気にならなかった。絵に没頭する父と暮らす中でお栄も一度は置いた絵筆を再び手に取る。
貧しい生活の中で父と共に絵を描くことの歓びを知ったお栄は、北斎から「葛飾応為」の名を授かる。
【感想】
現代では知らない日本人はいないほどの有名画家である北斎。劇中の会話では生きている間に既に世間に名を馳せていながら、あんな貧しい生活だったとはちょっと驚き。どこまで史実なのかは知らないが、きっと裕福ではなかったのだろう。
そんな江戸庶民の暮らしも興味深いが、それよりも何よりも良かったのは、長澤まさみと永瀬正敏の掛け合い。天才故と言えば良いのか偏屈なジジイ北斎。一方、いつも、誰にでも男のような汚い言葉を投げつけるお栄。どちらも怒りっぽく乱暴で喧嘩ばかりしているが、傍から見ればどこか似ている。共通の価値観があり、愛情が感じられ、微笑ましい。長澤まさみと永瀬正敏、二人とも演技の幅が広くはない役者だが、本作は2人のこれ以上ないほどのハマリ役。観ていて拍手したくなった。
ストーリー展開は地味で、「売れない親子画家があることをきっかけに大ブレイク!」みたいな劇的展開、あるいは号泣必須の感動的展開もないが、ずっと二人を観ているだけで楽しい。
興行的にも地味な作品だけれどもおススメです。
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