「やり直しが、効かないので」おーい、応為 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
やり直しが、効かないので
例えば、ハラミちゃん。音大を出た後、一般企業に入社したのですが、どうにも落ち着かず、知り合いの勧めで、ストリートピアノに、向かい合うことにしたそうです。突出する何かを持つ方は、突出する世界に納まるみたい。
そうではない私には、突出する世界の苦労は、分かりません。たださ、生涯を掛けて描く私達の生き方も、過去に戻って、やり直しが効かないのは、同じかなぁ、と。
今日の仕事の出来は、ひどい有り様でした。自営業なら、収支がマイナス状態。それでも、映画を観てきました。今日、見逃すと、やり直しが効かない気がしたからです。
そこまでして私が探しているものって、何だろう。私の生涯を通じて、手に入れたいものって、何だろう。スクリーンを通して、よそ様の人生の、何を知りたいのだろう。その何かを探すのが、私の生涯かもね。
二つの原作を、一つにまとめた映画だとか。珍しいですね。「百日紅」は、杏さまが、応為姐さんの声を担当した映画版がありますね。観比べると、鉄蔵爺さんの描き方が、ちょっと違うので面白いですよ。
この映画ですが、光の使い方が好き。水木しげる御大が遺していますけど、電気のない時代、今以上に夜が暗かったそうです。だからこそ、妖怪も、大勢いました。当然、家の中は昼でも暗い。そんな仄暗い世界を、覗き見した気分です。
ごめんなさい。やっぱり私、北斎より、歌麿や、鈴木春信が好き。ただ、この映画を観て、何故、鉄蔵爺さんが富士の山に取り憑かれたのか、ちょっと共感できるようになりました。それだけで、レベルアップした気分。私も、富士山を間近で見たら、富岳三十六景の続編、描けるかしら。応為姐さんの生き方、真似できるかしら。もっとも、今の私は、応為姐さんに罵倒される旦那レベルの人生かなぁ。ま、それでも、いいや。私の生き方は、私だけのものだし。映画館で、自分の生き方と、他者の生き方を比べる日々を、止めるつもりもないし。それが私の、やり直しが効かない生涯かもね。
次は歌麿さん、映画にならないかなぁ。因みに、歌麿さん、春画を描いたのがバレて、手鎖で拘束、自宅軟禁の刑にされたことあるそうです。そんな歌麿さんから見たこの世界は、どのように映ったんですかね。それに、歌麿さんの元絵を、浮世絵として世に広めた彫師と刷絵師の苦労話も、見てみたいものです。
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