ストレンジ・ダーリンのレビュー・感想・評価
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徹底的に情報をシャットアウトして観に行くべき。オフィシャルサイトも見ないほうがいい。
どんでん返しがある作品は、紹介やレビューで「どんでん返しがある」とわかっちゃった時点でネタバレになるから中々人に勧めるのが難しい。
本作も同様、しかも登場人物が極めて少ないので、ひっくり返るという「前提」があるだけで、ちょっとした情報が違和感に変わってしまうので。
本作は全6章+エピローグという構成で、3→5→1→4→2→6→エピローグ、という順に進んでいきます。
( オフィシャルサイトのNotネタばれ部分で言及されている情報)
この順番で話が進んでいくということは、前半にミスリードさせる構成があるということで、スタートになる3章と展開や立場が大きく変わる構成であるということを示唆しています。
オフィシャルサイトを見てちょっと前情報を入れただけでこんな塩梅なので、鑑賞前にはポスター以外の情報は微塵も入れるべきではないですね…
話を時系列に並べちゃうとなんてことないありきたりなストーリーですが、前後させたことにより誰が殺人鬼かミスリードさせる構成になっています。
他のレビューでも散々言及されていますが、この映画はこのねじれた時系列が売りなので、必然的にレビューでも触れることになります。
しかし、答えを知っていながら見るどんでん返しものほど虚しいものはないので、ネタバレを避けてどうやってレビューすればよいのか、この手の映画は本当に難しいです。
ロッテマントマトが期待値を上げ過ぎ
映画好きならば、大抵の"衝撃の展開"などと言う謳い文句には踊らされず、予想の範囲内で終わってしまう事もあるだろうが、本作はそれらの"先入観"や"思い込み"を逆手に取った様な構成の物語だった。本作を鑑賞する前に各映画著名人が絶賛してる旨の広告や、何しろ辛口でお馴染みのロッテマントマトで100%というかなりの武器を携えて日本にやって来た様だが、どうもそれで期待値を散々上げ過ぎてしまった気もする。それでもしっかり面白かったし、特段文句も無いのだが、ハードルを上げすぎでは??と少し思ってしまった。
本作は6章に分かれて物語が進む構成になっているのだが、1章から順に追っていく物語では無く、最初から真っ只中の第3章からスタートし、次が第5章...とバラバラにストーリーが始まっていく。それが上手く先入観という物に拍車をかけて一気に引き込まれていく形である。演者もあえてそれらを助長する様に表情を変えずにいて不気味さを表現していたり、そういう演出が見事なまでに光っている。
だが、良く考えれば物語をバラバラに展開していけばそれは勿論話が読めなくて当然だし、点と点が繋がる様になるのも当然といえば当然では無いだろうか。間違いなくそうやって見せているからこそ本作が面白いのであって成り立つのだが、普通に1章から順に見せていくとありきたりなサスペンスに成り下がるだろう。個人的には満足のいく作品だったが、好き嫌いはきっぱり分かれるはずだ。
その醍醐味をへし折ってしまっては元も子もないが、ただ時系列をバラバラに描くのではなく、順当に追っていって「え!…えぇっ!」という驚きに舵を切って欲しかったという事を思ってしまった。
そう考えるとデイビット・フィンチャー監督の「セブン」や、ジョーダン・ピール監督の「ゲット・アウト」、「US/アス」等は凄かったなと改めて思った。それでも、我々がイメージするシリアルキラーの人物像や、映画というものの概念を覆す展開の本作は一見の価値ありである。
Bです
見せ方は面白いが、根本的に話がつまらない。
6章だての物語の3章から始まる。
状況は掴めないが、異様な雰囲気のまま、迫力のある展開で映画は始まり、観客は没入感を持って物語に飲み込まれていく。
しかし、この映画のピークはここまでで、章をずらして明かされていく真相は、特にトリッキーに章をずらして見せていく程の驚きのあるものではない。
逆に言えば、こういう仕掛けをしなければ凡庸な物語ということだ。
仕掛けが主軸の映画であって、それ自体は否定するものではないが、だとすれば物語はもっとシンプルにして、見え方次第で真実はこうも違って見えるに徹して欲しかった。
女のキャラを複雑にすることで、設定の妙をシンプルに楽しめないのが残念だ。
センスや演出力もなかなか力量を感じるので、1章から6章の順に女のキャラの複雑性と、翻弄される男の破滅を深堀りして描いたほうが良かったのではと感じる。
もしくは2から6章で最後に1章に戻り、こんな悲惨な物語も、最初は素敵な始まりだったと、逆にゾッとさせるぐらいで良かったのかと思う。
最初はカーアクションと音響効果だけで見せるくだらない映画だと思ったが…
“シリアルキラー”が登場人物を指すと同時に、この映画全体が“シリアルに進まない”ことも暗示されていて面白い。トリッキーな章立てや、題名から想起・予期させられるストーリーとのギャップが見る者を引きつけ、90分間息つく暇のないエンタメ映画となっている。
否定的な見解としては、単なる「だます-だまされる」、「殺す-殺される」という内容でしかなく、“EL”と呼ばれる女の人格・素性に深く迫った内容にはなっていない(“EL”は事実に基づいた人物でなく創作上の人物らしいが…)。
最近は無駄に長い映画が多いと思っているが、100分以内に収まっている点もプラスに評価したい。
予想はできる
名作になるのでは
変化球のサスペンス
B級なルックに技ありの脚本・演出・構成、そして90年代の手触り
予告に期待して鑑賞。
一癖、二癖あるサスペンスかと思ってましたが、それ以上で初っ端から想定外の展開を見せられる作品でした。
全6章の物語ですが、その構成が絶妙。工夫のない構成したら単純かつ平凡なお話になるのでしょうが、トリッキーな作りのサスペンスで、予測できる展開ながら、なぜそのような展開になるのか、頭をグルグルと回し考えさせられる構成。
映像そのものはチープですが、デビット・リンチやタランティーノを思わせるような90年代的なルックとセンスでそれだけで楽しくなる作品です。そして、前述のような仕掛けもあり、所々でニヤリとさせる展開。
ツッコミどころも多いし、やや緩い部分もあり、予想もつくのですが、私は大好きです。
この映画よりクオリティの高い作品はいくらでもあるでしょうが、「こんなのが好きなんだろ?」と絶妙にツボを突いてくる作品はなかなかありません。
勧める人を選ぶ作品ではありますが、「本作を好き」というような人がいれば、それだけで仲良くなりたくなる作品。
ゼット・バーグの歌声
いい意味での裏切り!
【”未知の悪魔より、近くの悪魔。そしてゲイリー・ギルモアに憧れて・・。”今作は、チャプター6の物語構成を時系列を入れ替えて描くことで、予想の斜め上を行く展開に引き込まれる作品である。】
■冒頭、チャプター6の物語と出ながら、イキナリ、チャプター3の「助けて下さい」、のテロップが出て、猛スピードで赤い服を着た女(ウイラ・フィッツジェラルド:初めて見たが、凄い演技派である。ビックリ!)が運転するスポーツカーを男(カイル・ガルナー)が追うシーンから始まる。
そして、男が車を停めライフルで発砲し、女の車が横転し女が田舎の家に逃げ込むとチャプター5「ここかい?子猫ちゃん」とテロップが出て、男がライフルを持って家の中に入って来るのである。
だーが、次はチャプター1「ミスター・スナッフル」になり、男と女はモーテルの前に停めた車の中でイチャついているのであーる。
◆感想<Caution!内容に触れているかな?>
・いやあ、今作は正にシリアルキラーEL(エレクトリック・レディ)の”思い通りに行かない血塗れ道中”であり、彼女が憧れていると思われる、チャプター6の「ゲイリー・ギルモアって?」で実在したシリアルキラーで、死刑執行の際に”Just Do it!"という名言?を残したゲイリー・ギルモアの名前まで引っ張り出している所が、何となくコミカル風味を漂わせる怪作である。
・時系列を入れ替えた構成により、観る側は最初は女が被害者かと思うのだが、そこから二転三転するストーリー展開が実に面白いのである。
・男の職業が明らかになるシーンの描き方も絶妙であり、女の本性が”変態さん、いらっしゃい!”であるベッドシーンなども何故か、可笑しみがあるのである。
■そして、女が絶体絶命の窮地を脱したかと思った、血だらけでピックアップトラックを運転するお婆さんの車を停めるも、車中で一瞬早くお婆さんに撃たれ、徐々に憔悴していく様は、正にゲイリー・ギルモアに憧れた愚かしきシリアルキラーの最期に相応しいシーンでありました。と共に、初見のウイラ・フィッツジェラルドさんの、”凄いな、この姉さん!”という想いを持った末期の表情は絶品である。
シリアルキラーELの行動描写は、正に「シリアルキラーとは何か?」という問いへの答えにもなっているのである。
<今作は、チャプター6の物語構成を時系列を入れ替えて描くことで、予想の斜め上を行く展開に引き込まれる作品なのである。>
ネタをバラすのが早過ぎるし、捻りのないラストも物足りない
6章からなる物語を、第3章から描き出すという時点で、これは、何かカラクリがあるに違いないと勘ぐってしまう。
そのお陰で、最初は、いかにも、シリアルキラーの男が被害者の女性を追いかけ回しているように見えるのだが、もしかしたら、女性の方がシリアルキラーなのかもしれないと、この時点で、予想がついてしまった。
やがて、4番目に描かれる第4章で、女性が、逃げ込んだ家の住民を殺害するに至って、この予想は確信へと変わり、続く、第2章で、女性が、モーテルで、男を殺害しようとしていたことが分かって、「やっぱりね」と納得することになる。
ただ、この手の映画は、ラストに、あっと驚くようなサプライズを用意していることが多いので、最後の第6章で、さらなるドンデン返しがあるのではないかと期待してしまう。
男が、女性を捕らえた後に電話した相手が、どうやら警察ではなく、しかも、女性に喉を噛み切られるという展開になって、一瞬、「やっぱり、男がシリアルキラーでした」みたいなオチなのかとも思ったが、結局、女性がシリアルキラーだったという事実は覆ることなく、そのままエンディングとなる。
確かに、時系列をバラバラにした語り口には引き込まれるし、「あれは、こうゆう事だったのか」という面白みもあるのだが、これだったら、ネタバレするのが早過ぎたと思えるし、最後に、もうひと捻りがあっても良かったのではないかと思えてならない。
おそらく、これまでも、(女性の?)目撃者を殺さずに逃がしてきたに違いない犯人が、どうして指名手配されなかったのかも不思議だし、一瞬だけ挿入されたサブリミナル映像のような悪魔の姿にしても、もっと、はっきりと見せてもらいたかったという不満が残った。
いやあ!騙されたね。
6章とエピローグが、バラバラに。観るものを迷わせるね。スピード感がタランティーノ風だな。
音楽とか、タイトルバックとか、懐かしいね。
そうだな、人は無条件で信じたらだめね。
不快指数MAX
期待し過ぎたかな
評価の高さが鑑賞の動機でした。とにかくレビューは読まずに観た方が良さそうだったので、全く予習せず行きました。
映画が始まってすぐに、「あー、時間が前後するやつね。メメントとか思い出す」と気付いたのですが、結局メメントを越えるものはなく。
クリストファー・ノーラン監督が大好きなので、この類の映画にはちょっと厳しくなってしまうんです。
もうちょっとひねりが欲しかったです。
女性保安官にはイライラ。プロがそんな簡単に騙されるわけ…
35ミリフィルムの映像は雰囲気があって素敵でした。お客さんはいつになく落ち着いた年齢層の方々でした。
時系列ぐちゃぐちゃだからこその面白さ
時系列通りではなく第3章から始まる非線形(と言うらしい)で語られる本作。
完全にミスリードにやられた!血だらけの華奢な女の子が、銃を持ったムキムキ男性に追いかけられていたら、被害者と加害者の構図が自ずと出来上がってしまうことによる、まさかの「そっちだったのかー!」展開。
エレクトリックガールの殺しの秩序や動機は良く分からないけど、とりあえず出会った人々皆さん不運だったとしか言いようがないくらいに殺し回る。たまーに見逃す女性もいるけど、見逃さない女性もいるし謎。
数多の被害者の中でも、長年の刑事の勘で現場維持を主張したシゴデキ刑事さんが、青い正義感をぶんぶん振りかざし自分が間違ってることを微塵も想定しないおバカ女子刑事のせいで殺されてしまった(しかも女子は助かるっていう)のが一番辛かった。
先入観って怖いなぁ。
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