「鮮血」ストレンジ・ダーリン なつ F列さんの映画レビュー(感想・評価)
鮮血
実際のシリアルキラーの物語を映画化してます「あなたはシリアルキラー?」から始まり首絞め男。そうか、犯人は男ね。
赤い医療従事者の服を着て森からこちらに逃げ込んでくる女。そこに赤いOPクレジットが血の様にペロリペロリと重なる。
6章になってます。ふむふむ。
3章。
え?あ、シャッフルだ。
赤い車、赤い車内、赤い服、赤いブーツの女は逃げる。
追う男はショットガンを撃ち女は森の中へ。
森の中でも目立つ赤い女は隠れて放られた水を飲み、タバコを吸う。あれ?一服とかなんか余裕じゃない?おめぇさんもストレンジだな…森の小屋に助けを求めるも、見ぃ〜つけた。
でも、なんだかモヤモヤする。「シリアルキラー」って大概何かしらの名前を付けられるのにそれが出てないよ。
続く1章。
そもそもの始まりなのでワクワクする。
ホテル前の車の中でイチャイチャする男と若い女。
「わたし軽い女じゃないし」う〜んその状況で言う?
場面変わって首絞められ目を見開く女。あ!いきなり始まったぞ。手を縛られて苦しみながら…「もっと強く!」あぁ〜そういう。趣味嗜好は人それぞれだがジャンル別な方にそんなプレイを要求するのもどうかと思うしヤリ目的にそこまで付き合わなくてもね。
煽られ続け罵倒され男は豹変して本格的に首絞め続ける。女は叫ぶ「スナッフル!」それはプレイ終了の合図。
ここが導入に繋がるのね。すると急に違和感マシマシになる。
プレイ終了は、あ〜休憩したいのよねお酒飲んだりタバコ吸ったりしたいし〜。
してたじゃん!さっき逃げる最中の森の中で!お水飲んでタバコ吸って!ストレンジなダーリンはおめぇさんじゃん!
なんだかその追跡劇もプレイか?って疑いたくなってくる…
変わって女が逃げ込んだ森の中の老夫婦の家。
尋常じゃないバターのかたまりを入れ目玉焼きをパカパカ、パンケーキを作り、追いバターにホイップ、ジャムにハチミツにイチゴ乗せ。胸焼けしそうな朝食を2人でにっこりと囲む。何これ、世界最後の日に食べたい料理じゃない?とか思ってたらほんとに世紀末論者だった。
男に薬を盛り縛り上げ、たっぷり10分間。ここでカウントする演出がシュールで良い。男はまさかのポリスメェン!女が男の胸に刻むEL、エレクトリックレディやっと出てくるシリアルキラーの名称。
夫婦の家で男の首を噛みちぎり返り討ち。
応援に来たポリスも騙し捕まったフリ。
「殺したくない」散々殺しておいてとも思ったが「時々悪魔が見える」と何かに恐怖の眼差しを向けられた様な表情をして発射。
ホテルの一室でもぐわっと男の瞳に何かを見ていた女。
悪魔が見える、悪魔の指示なのか操りなのか恐怖なのか。愛を刻むと散々流れていたので悪魔に心を刻まれていたのかもしれない。
甘い言葉、弱った演技で隙をつき相手を殺す事を容易くやってのけるのは悪魔の手腕。
レンジャーの車に乗せられ悪魔を見る目でミラーに映る自分を見て涙を流す。それは自分か悪魔か。
車に揺られながらハクハクと動く唇、青白くなる顔、色を無くす風景。
殺したくないが本当の彼女だったのなら相当救われない話。
シリアルキラーの存在からの導入でうまくミスリードができているが、種明かしが早いのでもう少しどんでん返し感が欲しかったかも。話がやや強引に進むので。
女は常にリスクを負っている、例えば死とか暴力とか…と一方的な女の非力を1章で語られるが女はお尻を出すだけで相手を完全にレイプ犯に仕立て上げられる。
互いにリスクはあるのだからワンナイトは気をつけようって話。
