「B級なルックに技ありの脚本・演出・構成、そして90年代の手触り」ストレンジ・ダーリン よしてさんの映画レビュー(感想・評価)
B級なルックに技ありの脚本・演出・構成、そして90年代の手触り
予告に期待して鑑賞。
一癖、二癖あるサスペンスかと思ってましたが、それ以上で初っ端から想定外の展開を見せられる作品でした。
全6章の物語ですが、その構成が絶妙。工夫のない構成したら単純かつ平凡なお話になるのでしょうが、トリッキーな作りのサスペンスで、予測できる展開ながら、なぜそのような展開になるのか、頭をグルグルと回し考えさせられる構成。
映像そのものはチープですが、デビット・リンチやタランティーノを思わせるような90年代的なルックとセンスでそれだけで楽しくなる作品です。そして、前述のような仕掛けもあり、所々でニヤリとさせる展開。
ツッコミどころも多いし、やや緩い部分もあり、予想もつくのですが、私は大好きです。
この映画よりクオリティの高い作品はいくらでもあるでしょうが、「こんなのが好きなんだろ?」と絶妙にツボを突いてくる作品はなかなかありません。
勧める人を選ぶ作品ではありますが、「本作を好き」というような人がいれば、それだけで仲良くなりたくなる作品。
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