「ネタをバラすのが早過ぎるし、捻りのないラストも物足りない」ストレンジ・ダーリン tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
ネタをバラすのが早過ぎるし、捻りのないラストも物足りない
6章からなる物語を、第3章から描き出すという時点で、これは、何かカラクリがあるに違いないと勘ぐってしまう。
そのお陰で、最初は、いかにも、シリアルキラーの男が被害者の女性を追いかけ回しているように見えるのだが、もしかしたら、女性の方がシリアルキラーなのかもしれないと、この時点で、予想がついてしまった。
やがて、4番目に描かれる第4章で、女性が、逃げ込んだ家の住民を殺害するに至って、この予想は確信へと変わり、続く、第2章で、女性が、モーテルで、男を殺害しようとしていたことが分かって、「やっぱりね」と納得することになる。
ただ、この手の映画は、ラストに、あっと驚くようなサプライズを用意していることが多いので、最後の第6章で、さらなるドンデン返しがあるのではないかと期待してしまう。
男が、女性を捕らえた後に電話した相手が、どうやら警察ではなく、しかも、女性に喉を噛み切られるという展開になって、一瞬、「やっぱり、男がシリアルキラーでした」みたいなオチなのかとも思ったが、結局、女性がシリアルキラーだったという事実は覆ることなく、そのままエンディングとなる。
確かに、時系列をバラバラにした語り口には引き込まれるし、「あれは、こうゆう事だったのか」という面白みもあるのだが、これだったら、ネタバレするのが早過ぎたと思えるし、最後に、もうひと捻りがあっても良かったのではないかと思えてならない。
おそらく、これまでも、(女性の?)目撃者を殺さずに逃がしてきたに違いない犯人が、どうして指名手配されなかったのかも不思議だし、一瞬だけ挿入されたサブリミナル映像のような悪魔の姿にしても、もっと、はっきりと見せてもらいたかったという不満が残った。
